Apollo96

地球の月から文化共有。音楽、映画、文学、旅、幅広い分野を紹介します。時々創作活動も。

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物語で楽しむボブ・ディラン「Desire」

 

ボブ・ディランってイケメンだよね。どうももちこです。

今回は「ボブ・ディラン聴きたいとは思うけどなんか手出せん」って感じの人に興味持ってもらえるキッカケになるような記事です。気楽に読んでね。

 

まずボブ・ディラン聴こう!となった時にとりあえず超名盤から聴くかぁと「Highway 61」とか「Bringing It All Back Home」なんかを作品の解説と歌詞対訳とかムック本ひろげて読みながら聴いても理解するのに時間がかかるんですよね。なんとなく聴いてみたい~と思っても挫折しそうだしそもそも最初からこんながっつり聴きこむわけないですよね。(少なくとも私はそう)

 

というわけでおすすめなのがこの「Desire」です。

 

 

 

「ボブ・ディランで好きなアルバムは?」と聞かれたら私は真っ先にこの「Desire」を挙げます。

なんてったって中古レコ屋でボブ・ディランコーナーを見るたびいつも日本盤が安く、手に入りやすい。(大事だよね)

そして曲を聴けば砂埃の舞うアメリカ西部のような情景が浮かぶメロディー。

歌詞対訳をみれば短編小説のように一曲一曲にストーリーがあって入りこみやすく、予備知識なしでも楽しめます。

なおかつ人種偏見、不公平の訴えといった社会的要素と彼お得意の軽やかな言葉遊びも含まれているいいとこどりアルバム。

 

というわけで印象的な曲をピックアップして私的解釈で解説していきます。

 

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1.「Hurricane」

『ピストルが響いた酒場の夜…』という修羅場から始まる歌詞。

黒人というだけで酒場で起きた殺人事件の犯人として

白人警察官に無理やり罪を負わされた悲しい男性の歌です。

 

2.「Isis」

めちゃくちゃ大まかにいうと奥さん(Isis)を置いて一人旅に出てやっぱ愛おしくなって帰ってくる勝手な夫の歌。

冒険中の描写とかもさながら小説のよう。

Isisへ対する愛情もミステリアスで訳アリぽい。深い。

  

4.「One More Cup Of Coffee」

 このアルバムの中で一番好きな歌です。

ある女性との別れを抽象的に書いていて、かなり幻想的で美しい歌詞です。

 

ライブ盤の「BOB DYLAN At Budokan」の曲のアレンジがまた渋くて最高。

 

6.「Joey」

1972年にNYで殺された実在のマフィア、ジョーイー・ギャロについて歌った追悼歌です。社会のアウトローの半生をボブディランが歌うと本当にサマになります。

 

7.「Romance In Durango」

人を撃ってしまった主人公が婚約者と砂漠を渡りドゥランゴという町に逃げるまでの話。

ドゥランゴについたら式をあげて幸せになるはずが、途中で追手に撃たれてしまいます。

「きこえたのは雷か?俺の頭はくらくらする

夜じゅうには着けないかもしれぬ

泣くな いとしのきみ まもなく馬はドゥランゴにつく

がんばれ いのちよ まもなく砂漠はおしまいだ」(歌詞抜粋)

 

……死ぬな~~~~~~!!!って感じですが、この「まもなく砂漠はおしまいだ」で終わらせるところがいろんな意味を感じさせてきます。憎い。

 

9.「Sara」

当時ディランのバックコーラスをしていた女性と浮気をして離婚危機になったボブディランが名誉挽回のため奥さんへ捧げたラブソング。(一年後に離婚します。)

 

「サラ、サラ わたしのだめさかげんを許しておくれ」

「わたしを捨てないで、行ってしまわないで」

 というストレートな歌詞がボブディランの人間味を感じます。

 

 

この記事を書き始めた日の夜にボブディランのFUJI ROCK FESTIVAL'18の出演が決まったという情報を知り、布団の中で号泣しながら人生初のフジロック行きを決めました。

 

最近のボブディランはアメリカのスタンダード曲のカバーをしているのでジャズ好きの私にとってもとても楽しいアーティストです。

苗場で「That Old Feeling」とか「Autumn Leaves」が聴けたら泣きます。(それでいいのか)

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それではみなさん、今年の苗場で共に号泣しましょう!!!

 

もちこ