Apollo96

地球の月から文化共有。音楽、映画、文学、旅、幅広い分野を紹介します。時々創作活動も。

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サマーソニック2018 ライブレポート集

メンバーそれぞれが見たサマソニの感想をまとめて一つの記事にしてみました。

新顔のgreen-david氏のレポートもあるので是非お読みくださいまし。

 

 

ミヨシ

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(深夜のスパークスのステージ)

Nine Inch Nails

物販の行列が長すぎて初っ端からトリのNIN。スモークに包まれたステージがWoodstock 94を彷彿とさせて大興奮。1曲目はまだトレントを堪能できていたが、「Wish」の冒頭からしばらく記憶がない。めちゃくちゃ暴れた。トレントはえっち。「God Break Down The Door」のシーケンスフレーズに脳汁大洪水。タンバリン叩くときの体幹が世界一良い男、トレント。

歌に関しては破滅的な昔の頃からはもちろん、ゴリラ化しても声帯はデリケートだった最近と比べても、ずーーーっとうまくなってるし、クールダウンのパートも新作からの不穏なノイズが淡々と流れ、かつての衝動性が収まった今でも場の空気がぬるくなるようなことは一切なかった。50代前半という、激しさが売りのバンドでは正念場になる年齢だが、ことトレントに関しては全然心配はない。

 

My Bloody Valentine

かなり後方で見たにも関わらず、めちゃくちゃうるさくて笑った。ボーカル全然聞こえないし、ギターのコードとドラム以外潰れた音としてしか認識できなかった。末期ソ連製のカセットプレーヤーの方がもっとマシなのでは。

これを手放しで褒めてしまうと、劣悪でも破壊的でさえあれば正義、みたいな物言いになってしまいかねないから抵抗があるが、音楽の身体性を突き詰めて暴力に振り切った一例として語り継がれるべきだろうとは思う。

 

Mastodon

くっっっっっっそカッコよかった。ギターソロで二人が前に出てきてメンバー全員が縦に並ぶ見せ場だとか十字軍の映像が流れるところだとかはダサくて仕方ないのに、リフをひたすらザクザクと弾き続け、壮大なサビに突入する瞬間はひたすらにカッコいい。苗場の星空の下でも爆音で鳴ってほしい音。

仰け反って豪快にベースを弾き倒すトロイがMVP。最後の「Blood and Thunder」のモッシュは激にアツかった。

 

Queens Of The Stone Age

昨年のフジロックで、Gorillazのために泣く泣く3曲で撤退という雪辱を晴らすべく、最初から最後までずっと居座りましたよ。ええ。レリハプンなんてなかった。

演奏は言うまでもなく最高のグルーヴでアゲまくり。曲間でジョシュがギターソロを伴奏もなく延々と弾いたり、セオドアの凄まじいドラムソロが炸裂したり、まるで70sのハードロックバンドのようなテイストもあって、実に素晴らしい内容。

ツイッターでチャンス・ザ・ラッパーの合唱問題が話題になっていた一方、こちらはジョシュが「君たちは静かでとても素晴らしい」と大絶賛。挙句には「我々もそんな感じだよ、ほら」とトロイに振ったら「…yes i do…(ウィスパーボイス)」と悪ノリする始末で、相当ご満悦なんだろうなと、ニヤニヤ。

アンコールはなかったけれども、始終上機嫌でハイボルテージの演奏でございました。「Songs For The Dead」のモッシュは激アツ(ミヨシ、24時間の間に3度目のモッシュ)。

 

女王蜂

邦楽以外の選択肢がなくなる深夜の時間帯で、あえての女王蜂を持ってくるというプロモーターのチョイスに、アヴちゃんも「前回の出演が朝イチだったので振れ幅がすごい」と苦笑気味。

とはいえ、この後出演するのが鬼才ひねくれポップのSparksなだけに、女王蜂を選んだのは名采配だったと思う。MCに至るまでアヴちゃんは男声と女声の間をコロコロと移り変わり、セクシーな立ち振る舞いにアングラな世界観にディスコサウンドという混沌としたバンドスタイルで、このタイミングじゃなきゃいつ出演するのさ!

最後に涼しくなる曲を、と言っておいて「告げ口」で場の空気が凍りついたあたり、お前それ冷えるのは「肝」やんけ、というオチもつき、最高の40分だった。

 

Sparks

女王蜂から続くようにしてまた、変態ポップの始まりだ。黙々とピアノを叩くロンに、間奏中元気にステージを駆け回るラッセルのマエル兄弟。年こそ取れども、半世紀前からずっと同じキャラでのショーマンシップを維持しているのは、人生を音楽そのものに捧げた稀有な例であろう。何せ、女性的な怪しさを誇るラッセルを弟に持つだけに、美形であるのは間違いないロンが、ちょび髭とオールバックにネクタイを締めた格好でモテ人生を全力でドブに捨てているのだ。

新作も爽やかで疾走感のある曲調で「正常位は素晴らしい」と畳み掛ける「Missonary Possion」や、ナンセンスなグースバンプス風の「Hippopotamus」と相変わらずで、最近のライブでの演奏比率が1番高いアルバムが最新作という事実は、半世紀続くバンドとしては驚異的である(ライブは昔の名曲ばかりで、新作もセルフカバーとかでお茶を濁すのが普通の爺バンドでよくある光景)。

それどころか、昔の曲も全部違和感なく2010年代のバンドサウンドにまとめ上げ、ライブの楽しさを妨げる類の老いは一切介入させなかった。むしろ、ロンが踊るシーンでは意図的に「ああ疲れた」とジェスチャーを入れて、老いをギャグにしているのだ。

バンド側もロンが美味しいキャラであるのは心得ているようで、退場の際のメンバー紹介で、バンドメンバー全員ひれ伏してロンを崇めるという1幕も。そして最後に「マタアイマショウ」と初めてロンが喋って帰っていったのは、本当にエンターテイメントだった。

73歳と69歳という本来なら色々と覚悟しなきゃいけない年齢のはずなのに、Sparksは核戦争後も歌っているように思えてならない。

 

ENDRECHERI

moon-milk-overtrip.hatenablog.com

  

Chance The Rapper

今回の大阪公演で全然合唱が起きなかったのはあちゃーな案件であるのは間違いないし、ブラックミュージック、特にゴスペルに、抑圧された黒人が一緒に歌うことで苦しみを共有する手段としての位置づけがある(今でも人種差別は解決とは程遠い)だけに、歌わないのも自由という意見には、いやまあ、ここは日本ですけど、わざわざ欧米文化に金出して触れるのにそこまで反目しなきゃいけないかなぁと色々とボヤきたかったり。

何よりもまず、チャノが良い人すぎて反発したくない(笑)。大阪で学んだのか、歌詞が分からなくても楽しめるように色々と盛り上げポイントを作っていたし、少なくとも東京ではすごくアットホームで楽しいライブになっていた。

そしてゴスペルの壮大な世界観に夕暮れのマリンスタジアムの景色が凄く映えていて、終演と同時に日没になったのは出来すぎているぐらいの演出だった。

本人も、日本人が定番の合唱パートを歌えないことにはやや驚いていたものの、ちゃんと盛り上がっていることは伝わっていたみたいだし、終演時にはとても嬉しそうに帰っていたから、次回はしっかり歌えるように頑張ろうと心に誓ったのであった。いや、お前歌ってないんかい。

 

George Clinton & P-Funk All Stars

最強にして元祖パリピアクト。

最近は椅子に座ることも多く、来年ツアー引退宣言もさもありなん、という心持ちで行ったけれども、終始ステージの前に出てきては客を煽ってたし、何よりもバンドメンバーがテンションマックスで、レジェンドの最後を見に行こうという気持ちで行ったらあまりのパワフルさに閉口したであろう。

トラップポップからハードロック、メタルまでを取り入れた最近の作品を中心にした前半でアゲまくり、昔のファンクアンセムで長年のファンを沸かせ、挙句に「Maggot Brain」の火がついたようなギターソロの最中に花火が上がり、あまりのエモさに号泣。

その後また最近の作品に戻り、ギタリストが扇風機ヘドバンしながら飛び跳ねたり、ドラムがドカドカ叩きまくったり、もう会場自体が火の海になり、うっひゃーーー!!とバカになったところで終了。最後に女性コーラスの一人が流暢な日本語で「月に代わってお仕置きよ!」と叫んで帰っていったので、我々はタキシード仮面になろう。

 

 

 Merah (鈴木レイヤ)

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(ソニックマニアヘッドライナーのMy Bloody Valentine)

My Bloody Valentine

豊洲ピットでの単独公演では、後方で柵にもたれて揺れていた。あのライブ、実は音量が思ってたほどじゃなかったし、音質もそんなに良くない気がした。思わず自分の耳が相当悪くなっちゃったんだろうなと不安になった記憶がハッキリと残っている。好きなバンドが好きな曲を演奏していたし、うるさくないといってもまあうるさいし、音も普通に良いし、セトリもマジクソよろしいということもあり結局は「99:1=最高:不安」で圧倒的に後味はよかったんだけど。
とはいえ、やはり二日も経つと「不安=1」の記憶の存在感がかなり大きくなるもので。ソニマニでは前方で配布の耳栓をつけマシな音で聴いて、視覚的な印象の力も借りつつ楽しもうと気合を入れ前方エリアへ行った。どうしてもI Only Said の入りだけは生音で聴きたいと思い耳栓を外して聴けば、かなり前にいるから単独の時より音が大きい上に、何となく単独の時より音が良い気がした。その後耳栓を付けてみたが、聞こえてくる音の種類自体は変らずで、音量が下がって篭って聴こえるだけだったので外した。要するに、聴こえてくる音自体は、なんや後ろより前で見る方がええんかいな!ということ。もしくは豊洲ピットより幕張メッセの方が良いのか、あるいは何らかの形で自分の耳が変になっているか。とにかく、配布の耳栓は着けたら損、不安な人はちゃんとした奴買おう。配布の耳栓を着けて聞くという行為は、タマネギの芯だけを食べるのと同じくらいおかしなことではないか。あれは運営がもしもの時訴えられても責任取れないって事で配ってるのかななんていう想像をしてます。
いつもyoutubeで観てた時は途中飛ばして聴いてたYou Made Me Realize の長すぎるノイズピットも、あと5分、いやあと10分で良いから長くやって欲しいと思ったくらい最高のライブだった。それにしても、New Song 1 のビリンダVoパートはどちらの公演でも一瞬も聴こえなかった。歌っているのは見えるけど。もしかして口パクだったんだろうか、誰か聴こえている方がいらっしゃったら連絡をください。
あと、やっぱりシューゲイズはドラムだなぁと思った。
後日、あの日の音を再現する為に色々調整して(端末のいじれる箇所を全部マックスにして)聴いていたら耳鳴り、素人はああいうことしてはいけないんだ。

 

The Charlatans

今まで何度もスタジオアルバムに手を付けては、特に記憶を残さないまま再生ボタンを止めるという行為を繰り返していたシャーラタンズがやっと僕の思い出にもなりました。セットリストはどれものりのりで楽しい曲かユラ〜っとやわらかい感じの気持ち良い曲ばかりで入門にうってつけなんじゃないかと思った。めっちゃノレタ。何度目の正直か分からないけど今度はほんとに気に入ると思う。

 

Friendly Fires

最近、僕はフェスに行くために予習をするということをやめた。理由は簡単だ。ライブ演奏とスタジオアルバムは全くの別物だからだ。キリンとゾウを比べるようなことだと気がついた。レディオヘッドなんかを思い浮かべればよく理解できると思う。
知らない音楽に初めて出会う場面、それがフェスの予習の為に聴くスタジオ音源であった場合より、何かの巡り合わせでたまたまステージの前で聴いた音出会った時の方が印象的であることが多い、僕の場合は。やはりライブは印象だ。事前に予習で聴いたアルバムが良かったからといってわざわざ見に行ったらステージが期待以下だということもあれば、見たいバンドの前にいた知らないバンドが異常にカッコよくて別のステージの結構観たかったバンドを切り捨てたのも悪い選択では無かったと思えることもある。圧倒的に予習あんま意味ない派。

前回二階席から見たテームインパラを今度こそ近くで見る為に前方で待っていた僕は、一曲も知らない状態でFriendly Fires を見ることになったのだが、どうだろう、今年始まって僕が見たライブで一番楽しいライブだったのではないだろうか。踊りやすいパーカッションが直接子宮を揺らし、ブランドンフラワーズ譲りの色気強イケメンボーカリストが踊り方を教えてくれた。最高のひと時だった。(僕は下腹部が音楽で揺れる感じがする時、いつも「これは子宮の名残りが振動しているに違いない」と思っていたのですが、今調べた所やはり男性にも子宮の名残り、前立腺小室という器官があるそうです)

 

Tame Impala

紙ふぶき砲が、ビーム台が、ドラムセットが順に運び込まれるのを観ながら、二年前のクアラルンプールで見た単独公演を脳裏に浮かべながら柵にもたれ開演を待っていた。前回の感動を、モブステージのフェス用のセットが越えられるのかという不安が脳裏にあったのはその瞬間までだった。
赤いカーペットと、翡翠色の塗装が剥がれかかったリッケンバッカーが僕の目の前に置かれたとき僕は空へ落っこちるような不思議な感覚に陥った。数分後にスクリーンに緑の光が点りそれが高速で回転し始めたところまでは覚えている。その後の記憶がない。家に帰って鞄を開けたら大量の紙ふぶきが床に散らばった。

 

Moodoid

名も知らないフランスのバンド、最後のアクトだったということもあり、両手にコップひとつずつ持って行き、脚が砕けるまで踊ろうとしましたので最高に楽しかったこと以外に記憶がないです。これは言葉に出来なくて仕方なく忘れたことにしたわけじゃなく、マジのマジで忘れています。踊っていたこと以外なにも覚えていません。

 

 

green-david

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(Marshmelloのステージ)

 

Nine Inch Nails

通しの3日間行った僕だけれども、おそらくこの時が1番緊張したのではないか。なにせファンになってから5年間もこの瞬間を待ち続けたわけだし…。

で、念願叶ってようやく見れたNINのステージは最高だった。制作面での好調さがそのままライブ演奏の方にも反映されている印象を受けたし、NINのライブの代名詞とも言える最先端技術や派手なVJは使わず、照明とスモークのみのシンプルな演出ながらも彼らの持つ暴力性を表現できていたのには本当にゾクゾクきた。モッシュサークルもあちこちでできていたし、相当盛り上がっていたんだろうなあ。しかし、Closerの「I wanna fuck you like an animal」という歌詞で大合唱が起きるのって客観的にみて異常だと思う。

僕が何より感動したのはI'm Afraid Of Americansのカバー。同じボウイを愛し憧れた者として、トレントのボウイに対する愛情というものをひしひしと感じて感極まってしまった。

 

My Bloody Valentine

NINに引き続き、これも開演前相当緊張した。以前騒音性難聴になった経験のある僕としては、ワクワクする気持ちよりも恐怖の方が優っていたんだと思う…。

いざ始まってみると、耳から聞こえる爆音と体に感じる空気の振動がなんだか心地よい。I Only Saidとかかすかに聴こえるフレーズから判別できる曲もあったけど、大半の曲はただのノイズにしか聞こえない。これは「聴く」ライブじゃ無くて「体感する」ライブなんだなあと実感した次第。曲が進むにつれどんどん大きくなっていく音量に身の危険を覚え途中で退散。でも会場の外からでもばっちし聴こえてましたよ()

 

Pale Waves

彼らのことは去年の終わり頃に知って、そこからどハマりした。ライブ映像だけでは飽き足らずインタビュー動画までをも舐め回すように見たり、サマソニ当日に着ていく用にわざわざイギリスから彼らのTシャツを取り寄せたりした。

生で見た彼らはめちゃくちゃカッコよかった。曲は全部最高だし、フロントマンであるヘザーの立ち振る舞いからはカリスマオーラがムンムンに放たれている。神々しくて、いい意味で新人離れしているなと思った。将来絶対ビッグになるだろう、単独あったら必ず行きます。

 

Billie Eilish

これもさっきのPale Wavesと同じようにどハマりしたミュージシャン。正直、3日間で1番楽しみにしていたのは彼女のステージかもしれない。

実際のパフォーマンスはめちゃくちゃクールでした。モロにヒップホップカルチャーに影響を受けている感じのステージで、DrakeのHotline Blingのカバーまで飛び出す始末。

ただ、日本のオーディエンスは彼女の熱量に応えきれてない感があったかも。いつもなら大合唱必死のBoredであまりにも観客がシーンとしていたせいなのか、ビリーが歌唱中に吹き出す場面も。申し訳なさしか感じなかった…。でも最後の2曲ではわりあい盛り上がったのでそこはよかった。

彼女のインスタのストーリーとか見る限り日本のカルチャーを気に入ってくれたみたいなのでこれに懲りずにまた来て欲しい。

 

 

Marshmello

これも予想外に良かったアクトのひとつ。

ここでの彼のステージでは、Eurythmicsなど年代を横断したポップスや、The Killersやボンジョビ、ガンズなどのロックまでをも巻き込んだ幅広い選曲となっていた。客席では小さい子供やノエル待ちと思われるオアシスファンも楽しく踊っている様子が印象的だった。

とにかく、Marshmelloのステージからは最高に自由で寛容な雰囲気が溢れ出ていた。これこそまさにポップスのあるべき姿であり、僕がここ最近ロックよりもポップスをよく聴くようになったひとつの理由でもある。

 

Tame Impala

3年前だかの来日公演の評判がすこぶる良かったので、大好きなノエルを我慢してでも参加することはかなり前から決めていた。そして、実際のステージも期待に違わぬ素晴らしいものだった。レーザーライトとサイケな映像を使って作り出す世界観は他のどのミュージシャンも作り出せないくらい独自のものだと思うし、普通にヘッドライナーでも全然いけると思う。客も外国人多めで程よくクレイジーで良かったし、こっちを選んで良かった。(ノエルも来年単独ありそうだし完全勝利ですね)

 

ENDRECHERI

超絶バズりを見せたENDRECHERIのレビュー記事で有名なミヨシに誘われて、長い人生の中でもこんな近くでジャニーズの人間を観ることはそうそう無いだろうな…というくらいにかなり前の方で見ることに。

確かにフロントマンはKinki Kidsの堂本剛本人であることは間違い無いんだが、その音楽はかなり本格的なファンクでかなり戸惑った。日本全国見渡してもここまで濃厚なファンクやってる人ってスガシカオくらいしか知らない…。

そんなゴリゴリなファンクミュージックと歌謡曲向きな堂本剛の声が合わさると違和感しか感じなかった。けれど、そういった違和感はやりようによっては独自の個性にも昇華できてしまうわけで。これからも動向を見守っていきたい。

 

Mike Shinoda of Linkin Park

スタンドは結構ガラガラだったのでかなり前の方まで行くことができた。周りはLinkin Parkのファンばかりで、ライブ中もすすり泣く声が聞こえたりとさながら追悼集会のような雰囲気だったけど、マイク本人はそんな僕らを励ますかのように明るい様子だった。これは僕らに対する配慮なのかどうなのかは分からないけど…。

それでも途中に挟まれたチェスターについての長いMCには泣かされた。チェスターとの馴れ初めのエピソードを挟んで「彼は史上最高のヴォーカリストの1人だ」という言葉。そしてその流れのままIn The Endに突入…。観客一人一人の歌声の中にチェスターの影が見えた気がした。

最高の瞬間だった。日本に来てくれてありがとう、マイク。

 

Chance The Rapper

大阪での情報を事前に目にしていたので、開演直前までスマホで歌詞を暗唱して入念に準備を重ねた。もし東京でも盛り上がらなかったらチャンスは2度と日本に来てくれないかもしれない…。そんな不安が頭を何度もよぎった。

しかしそれは杞憂に終わった。いざステージが始まってみると、そんな噂が信じられないくらいの大盛り上がりだった。(ありえないと思っていたモッシュも頻繁に発生していた)それに、少なくとも僕がいた最前列付近はみんなネイティブか?と疑いたくなるくらいの大合唱だった。もしかしたら僕と同じように予習を重ねてきた人も多かったのかもしれない。

Twitter上でも度々合唱するべきか否か?みたいな問題提起がなされていたけど、流石にネイティブレベルに全てのパートを歌うのは無理だとしても、所々キメなきゃいけないところはやはり一緒に歌わなきゃいけないと思うし、何より一緒に歌った時の一体感は最高に気持ちいいですよ。

そのためにはもっと日本人の英語力を上げていかなくてはいけないし、長いことヒップホップやR&Bを軽視しまくってロックばかり持ち上げてきたメディアにも問題はあるな…。といろいろ考えさせられるライブでもありました。

 

George Clinton & P-Funk All Stars

JBと殿下がこの世を去り、スライはほぼ隠居状態の中、その姿を生で見れる最後のファンク・レジェンドことジョージ・クリントン総帥。そんな彼も今年いっぱいでツアー活動を引退ということで、これがおそらく最後の機会になるだろうとのことで見にいった。

だが、彼のステージを見てまだ引退は早いだろうと思ってしまった。正直これまで見たどのダンスアクトよりもチャラくて元気一杯のパフォーマンスを展開していたし、何よりあそこまでうねりまくるグルーヴを生み出すことのできるバンドを解散させるのは惜しすぎる。

最終的には、ビーチステージにいた皆が手を上げたまま踊り続けるファンク星人とかしてしまったのでした。めでたしめでたし。