ブラックアイドピーズって最近何してんの?
どうも浪速のファーギーことべしちゃんです。
ていうかさ、ブラックアイドピーズって最近何してんの?
って思ったことないですか?
Black Eyed Peas...略してBEP…何してんのよ…まさにそう思ってなんとなく聴き返してたらちょっと自分の中で再燃してしまい、パリピがよく持ってるスピーカーを買ってファーギー姉さんのモノマネしながら踊ってる昨今です。
で、BEPは今何してるかというと、新譜が出てます。
ただ取り巻く環境やスタイルは随分変化しており、しばらく名前を聞かないうちに何があったんだ?ていうかそもそもBEPってなんだったんだ?と、ちょっとBEPのこれまでの歩みと旧譜を簡単におさらいしてみることにしました。…リスペクトを表して猿でもわかるスタイルで行きます。
- 猿でもわかるなんて大ウソだ(〜2000)
- 猿でもわかるようになる(2003〜2005)
- 猿でも感じるフューチャーウィンド(2006〜2009)
- 猿でも寂しい活動休止(2010〜2015)
- 猿にはわからんその兆し(2016〜)
猿でもわかるなんて大ウソだ(〜2000)
ロスで生まれたウィル・アイ・アム、フィリピン出身のアップル・デ・アップ。やがてふたりは同じ学校で出会い、ブレイクダンスグループとしてキャリアをスタートさせます。やがてギャングスタラップの始祖と名高いEazy-Eが経営するRuthless Recordと契約。『Grass Roots』をリリースするも、3年後にEazy-Eが死去。同レーベルを離れ、ダンサーのタブーが加入し、やっとグループ名がBlack Eyed Peasとここで定まります。
1998年、ファースト「Behind the Front」をリリース。まだメンバーはウィルちゃん、アップル、タブーの3人。この頃に当時ガールズR&Bグループのメンバーであり元子役声優、しかし薬物中毒の療養中の身であったファーギー姉さんがBEPのファンになったと言います。
そして2000年、セカンド「Bridging the Gap」をリリース。USチャートも前作100位以下から半分以上巻き返すと着実にそのキャリアを伸ばしていきます。この頃初来日も果たしております。思ってたより早いね。
Behind the Front(1998)
…いわゆるBEPを想像していたら思いっきり面食らうゴリッゴリのクラシックHIPHOP。大人しい印象を受けるものの(そらいわゆるBEPに比べたら何でもそうですわ)サンプリングのみならず生楽器のグルーヴ、生感を活かすメロセンスは当時から健在です。
- アーティスト: Black Eyed Peas
- 出版社/メーカー: Interscope Records
- 発売日: 1998/06/30
- メディア: CD
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
Bridging the Gap(2000)
…路線はファーストと同様、しかしデラソウル(ゴリラズのFeel Good Inc.で爆笑してるラッパーだよ!)などビッグネームの客演もあり飛躍を感じます。オーガニックともまた違う、ほっこりしたファンク感は生楽器とビートのセンスの良さといった感じ。ファーストもセカンドもすでに全曲ウィルちゃんプロデュースですが、やっぱ光ってますなあと後追い特有の感想です。
- アーティスト: Black Eyed Peas
- 出版社/メーカー: Interscope Records
- 発売日: 2000/09/26
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
猿でもわかるようになる(2003〜2005)
ビューティーデリシャスファーガリシャスなファーギー姉さんの加入だ〜〜!!!!芸能活動のキャリアはあったと言えど自称・片田舎の女の子でありBEPのいちファンであったファーギーは、終演後のウィルちゃんに連絡先を渡し…加入してしまいます。これで思い出すのはやっぱりジョン・フルシアンテ。ちなみに最近欅坂にもそういう子が入ったらしい。
そうして新体制にてサード「Elephunk」を2003年にリリース。代表曲とも言える「Where is the Love」が早くも登場。各国でプラチナディスクをかっさらうといよいよ我々の知るところのBEPのお出ましです。続いて2005年には「Monkey Business」をリリース、タブーの出番を犠牲にファーギー投入・楽曲路線変更で今現在知るところのBEPは象られていくのです。
Elephunk(2003)
そうそう知ってるBEPってコレっすよ…圧倒的陽キャ…ちゃきちゃきのファンクをベースに軽快に弾むリリック。いわゆるセルアウト路線でプロモーション時「猿でもわかる」と銘打たれたのもしゃーない。それでも初期作品の匂いもこのアルバムまでは残り香のように存在しており、多岐に渡る楽曲の幅はここから伸びてきた要素のように思えます。
一番顕著なのはフィリピン出身のアップルが母国語にて自らの生い立ちや家族について綴る「The APL Song」。ウィルとアップル共同プロデュースで新たな路線を開拓しています。ちなみに渡米時は一切英語は話せなかったというアップル。苦心の果てにウィルにさえ語彙量ではアップルが勝ると言わしめるほどに。
ちなみに「Let's get Started」のビデオがものすごく好きなんですが、この時代にすでに(擬似ではあるものの)360°videoのようなイキなトリック撮影をしていてかなりかっこいいんだコレが。
The Black Eyed Peas - Let's Get It Started (Official Music Video)
Monkey Business(2005)
本当に猿でもわかるわここまでやられたら!!!といった感じの…というのもコンセプトは「BEP流ボリウッド」だそうなのでなんかもうウケますね。ニコ動世代にはほむらちゃほむほむ動画で有名な「Pump It」、良いケツについての「My Humps」、客演にはジャスティン・ティンバーレイクやサンプリングネタにスティング、JBまでいます。なんかもう普通に産地直送新鮮解体ショーかな?って勢いで素材をそのまま活かしまくったサンプリングがちらほら。またもアップル手掛ける「BEBOT」はフィリピ〜ノ!流パリピソングである傍なぜかインドでめちゃくちゃ有名らしい。まさに闇鍋ボリウッド!
- アーティスト: Black Eyed Peas
- 出版社/メーカー: A&M
- 発売日: 2005/06/07
- メディア: CD
- 購入: 3人 クリック: 85回
- この商品を含むブログ (167件) を見る
猿でも感じるフューチャーウィンド(2006〜2009)
2枚の成功を追い風にファーギー姉さんがウィルちゃんプロデュースのもとソロデビュー。日本においてもサマーソニックヘッドライナー出演、武道館公演、SMAPSMAP出演など知名度を界隈通り越してお茶の間へさえも広げていきます。ちなみにスマスマにはこの後も度々出演するようになり、中居くんにすら「ウィルはツレ感覚」と言わしめたほどで楽曲提供も行うようになります。ちなみにSMAPだけには止まらずファーギーのプロジェクトとして倖田來未ともコラボシングルを出していました。時代感じるな。
またこの時期からウィルちゃんは自身のファッションブランド「i.am.clothing」を立ち上げまさにアフリカン・アメリカンのファッションリーダー的存在に。
さあそんなノリにノッたBEP、2009年に5枚目のスタジオアルバム「The E.N.D. 」をリリース。リードシングル「Boom Boom Pow」のリリック、サウンド、MV構成、ウィルちゃんの謎のヘアスタイルに代表されるような近未来的世界観にてコンセプトを統一。(古参ファンの気持ちはどうあれ)EDMの一躍台頭時代の一足先を行く、まさに一番脂の乗った時期と言えたでしょう。
The Dutchess(2006/Fergie solo)
BEPのライブでもよくお目にかかることとなる「London Bridge」やファーギーのファーギー(作ったのはウィルちゃん)によるファーギーのためのファーギーにしか歌うことの許されない曲こと「Fergalicious」等の楽曲を世に放ち大ヒット。アルバム名原題は「The Dutchess」、邦題は「プリンセス・ファーギー」。しゃーない切り替えていけ。
- アーティスト: Fergie
- 出版社/メーカー: Interscope Records
- 発売日: 2006/09/19
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
The E.N.D.(The Energy Never Dies)(2009)
空耳アワー大好き民には「汁物まだまだ来る」で有名なアレが「Imma be」です…汁物来なくてええけどこの曲における規格外のテンポアップ・転調・コード使いはこれまでのBEPのやってきた多岐に渡る音楽がベースにあってナンボの激アツ演出です。
しかし初期の体温高めのファンクは何処へやらバッキバキのサイバーエレクトロに完全路線変更です。この手の初期EDMの源流は2006年コーチェラのダフトパンクのパフォーマンスだと言われており、そこから考えるとEDM黎明期の作品と考えるには約3年のラグこそあるものの、10年経った今聴いても古さを感じない完成度。「Imma be/Rock that Body」「Boom Boom Pow」「I Gotta feeling」などのスマッシュヒット曲を内包し、全編サイバーでビュンビュンな同一コンセプトでまとめた、ある意味2010年代というエレクトロポップ台頭時代の幕を開けた作品といった位置付けになるのかも。
「I'm so 3008 your so 2000 late」というミームがかつて英語圏で流行ったようですが元ネタはこのアルバムから。まだ生きてるんかな?
猿でも寂しい活動休止(2010〜2015)
続けざまに翌年の2010年、「The Beginning」をリリース。デラックス盤には前作「The E.N.D. 」からのシングルカットによりメガヒットを飛ばした5曲を同時収録する客にとっては有難い(HIPHOPファンからするとDumb it Down…楽曲のレベルをHIPHOP基準から下げてより一般市場に寄り添う売れセンを狙うこと…の『極致』をやりやがったと言える)商材展開、NFLハーフタイムショーへの出演、映画「NIGHT&DAY」への主題歌提供、ビクトリアシークレットのショーへの出演等まさに栄華を極めるといった状況です。
しかし2011年、無期限の活動休止を発表。
ファーギー姉さんはご存知の通りソロシンガー、モデルや俳優として活躍。
ウィルちゃんもここから現在に至るまで時の人からビッグネームまで様々なアーティストと組み楽曲を提供、ジャスティン・ビーバーやニッキー・ミナージュのようなフィーチャリング常連組はもちろんのことミック・ジャガーのようなビッグネームを通り越して概念と化した人とも仕事してたりします。
タブーは2007年に薬物所持の疑いで一時逮捕、これをきっかけに完全なる薬物断ちを決意。療養の末克服するも2016年にがんを患ったことを告白。完治後は非営利団体を立ち上げ現在に至るまで自身の経験を通した活動をしています。
アップルは今や名実ともに世界一有名なフィリピン人。音楽活動の傍、地元フィリピンでのリゾート開発やチャリティイベントへの着手と、実業家としての顔も持ち合わせるように。
…といった具合に皆さん着々とセカンドキャリアを築いていってたようで…知らない間に…
The Beginning(2010)
…This is international Big mega radio smasher…
めちゃくちゃ懐かしくないすか?ちょうど中1の時とか洋楽入門編として聴いた気がする…あとニコ動全盛期だったので1曲目Dirty Bitと吉幾三のマッシュアップが流行ってたな…
前作「The E.N.D.」の潮流を引き継いだ新世代のダンスミュージックといった表情を持ち、まさに売れセン、といった耳なじみのいい楽曲が並ぶ中「Whenever」のようなファーギーの歌唱力とアコースティックな音が光るポップミュージックも健在。
でも正直「The E.N.D.」のただ延長線上であるは否めず(だからこそ先述の通り前作シングルカット曲の同時収録なんてやるんだろうけど)、アルバムとしてというよりは1曲1曲に比重をおく作りになっています。
ちなみに「Just Can't Get Enough」のビデオは東日本大震災のわずか1週間前の東京都内で撮影されたもの。ビデオ冒頭には被災した方々へのメッセージが流れ、大きく姿を変える直前の東京を垣間見ることができます。
- アーティスト: Black Eyed Peas
- 出版社/メーカー: Interscope Records
- 発売日: 2010/11/30
- メディア: CD
- 購入: 2人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
#willpower(2013/will.i.am solo)
ソロ作品も触れてたらキリがないんですけどこれだけ聞いて!ジャスティン・ビーバーをフィーチャリングした「#thatPOWER」をBGMに西武ライオンズのマスコット、レオ くんが踊る動画なんですけど、ウィルちゃんのダンスよりイケてます(?)
猿にはわからんその兆し(2016〜)
で、近年のBEP動向です。結論から言うと2016年のプロジェクト「#WHERESTHELOVE Black Eyed Peas feat.The World」のための一時的再結成を最後にファーギーは離脱、というか事実上の脱退をし、現在はウィル、アップル、タブーの3人体制。
しかしウィルが語るところあくまで「ファーギーの長年の夢のため」と好意的な離脱であり、2018年のアメリカ建国記念日には4人の集結する姿も!ええ写真やないか!
そして昨年2018年、BEPは帰ってきたーHIPHOPとともに。
そこにファーギーの姿はなく、往年のオールドヒップホップスタイルに身を包んだ野郎3人のモノクロ写真。表題作にもあるようにBACK 2 HIPHOPなのです。
ヴィジュアルをはじめ、踊ろうぜカマそうぜといった調子のいいリリックも鳴りを潜め、近年主流のソーシャルプロブレムについて、またはパーソナルなリリックを主とし、元来メンバーが好んだというコアなヒップホップへのリスペクトが垣間見得ます。
それでいてVR技術を用いたプロモーションを行うなど、ただの初期作回帰に止まらない意欲的な姿勢はパリピッピBEPだった頃となんら変わりはないのです。
Master of the Sun Vol.1(2018)
ドレイクの登場、フランク・オーシャンに代表されるようなアンビエントヒップホップの台頭、ド直球に「This is America」のグラミー賞受賞とヒップホップ市場が多様性を以って変遷していく中でオールドとも言える王道ヒップホップで新生BEPは仕掛けてきました。
NAS、スリック・リックといった大物の客演はもちろん、ガールズK-POPグループ2NE1の元メンバーCLも登場。BTSの成功に見られるようなK-POP市場の拡大がここでも見られて、オールドな音の中に「The E.N.D.」で感じた抽象的な未来感ではなく、音楽の具体的な未来を想像する余地があります。
これまでのキャリアで培った圧倒的にキャッチーなメロディラインは今作でも生きていて、私のようなHIPHOP初心者かつ英語あんまりダメ芸人にも以外と間口は広く取られている印象。BEPを毛嫌いしていた人にこそハマる作品かも。
数字は正直なもので、今回7年ぶりの新作にも関わらずYouTube再生回数も伸び悩んでおりBEPは作品面でも業績面でも今まさに過渡期を迎えているところ。これからどうなっていくのか気になるところですネ。
以上、Black Eyed Peasのキャリアと全スタジオアルバムをおさらい、でした。もうパリピには戻らんのかな?それはそれでアリだけど、ちょっと寂しい。
…ていうかよく考えたらサマソニ2017来てましたやんか。書いてから思い出しました。なんか本末転倒です。
まあそういうこともあるよね。それではまた💓