Apollo96

地球の月から文化共有。音楽、映画、文学、旅、幅広い分野を紹介します。時々創作活動も。

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The 1975 の『Music For Cars』を徹底予測(『A Brief Inquiry into Online Relationships』を徹底追跡)

※これは2018年6月1日に投稿された予想記事であり、9月現在大胆に予想が外れている箇所が多々発覚しております。が、六月時点の予想から一切訂正はされておりません。アルバムが出たら改めて何か書きます。ごめんなさい。

追記:2018年9月14日に補足、訂正をしました。紫で書かれた部分がニューパートです。

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いよいよThe 1975 の3枚目のスタジオアルバム、Music For Cars 『A Brief Inquiry into Online Relationships』のリリースが迫ってきた。10年代のスターThe 1975 は三枚目のアルバムでどのように化けるのだろうか。

今回は今までに解禁された情報とこれまでの彼らの発言を元にMusic For Cars 『A Brief Inquiry into Online Relationships』の内容を予測していきたい。

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熱心なファンなら既にご存知だろうが、今度リリースされる3rdアルバムである『Music For Cars』は、セルフタイトルのデビューアルバム以前にリリースされた4枚のEPのうち3つ目に当たるもののタイトルと一致している。もちろんどちらも三枚目であるという共通点からも、これが単なるお気に入りワードの流用とは考えられない。僕自身、今度のアルバムは『Music For Cars EP』から何らかの要素を継承するのは間違いないと見ている。ここで『Music For Cars EP』の内容を復習しておこう。

この記事は先行シングルである『Give Yourself A Try』がラジオでお披露目される直前(2018年6月1日)に投稿されるよう書かれたのだが、まず投稿から数時間後のラジオ中継でのインタビューでいくつかの「違ってた点」が発覚した。

一つ目がアルバムのタイトルだ。『Music For Cars』というタイトルで3rdアルバムを作っていたものの、曲を作り過ぎてしまって一枚に収まらないことが発覚した。そこで二つのアルバムに分けるということが決まった。そして二枚の血の繋がったアルバムがリリースされる「時代」を、The 1975の「Music For Cars Era」、要するにThe 1975の「Music For Cars 期」と称する事にしたという旨をマッティたそは述べた。もう僕はすっかり恥をかかされたわけだ。というわけで『Music For Cars』などというアルバムは出ない。

二枚アルバムを出す事にしたけれど、そのうち初めに出る方が『A Brief Inquiry into Online Relationships』で、まだ全然できあがってないけれど10月に出る予定だと6月時点では言っていた。10月にリリースされると言ってたのが、結局11月の末になっているのだから、二枚アルバムが出る予定だという話もそのうち変更になるかもしれないネ。

まあ、でもThe 1975の『Music For Cars 期』を理解するためにも、彼らのEP『Music For Cars』について知っておいて損はないだろう。

このEPは彼らの一番のヒット曲であるChocolateを初めて収録した作品でもある。しかし次作を予測するに当たってこのEPで最も重要視されるべき要素は、EP全体を覆うアンビエントな空気だろう。ブライアンイーノ譲りのタイトル通り、一曲目のAnobrain から3曲目のHNSCC、4曲目のHead.Cars.Bending、5曲目のMeに至るまで、Chocolate 以外の全ての曲にアンビエントの要素が存在している。実際に昨年のアルバム制作に関してのインタビューで、多数のアンビエントミュージックを既に書いていると明かしていた。今現在ホームページのカウントダウンに使用されている音源ももれなくアンビエントなので逆にテーマとなる音がガレージサウンドとかだったら僕は腰を抜かすと思う。

また、2ndアルバムとデビューアルバム以前のEP4部作をよく聴きこんでいる人は知っていることではあると思うのだが、The 1975 は既にEPに収録した曲を叩き直して2ndにいくつか忍ばせている。シューゲイズリスペクトのLostmyheadはFacedown EPのオープニングを飾る表題曲のオリジナルバージョンの再録、The Sound のサビはSex EPのオープナーIntro/Set3 から。この傾向を見ると次作にも未発表曲の録り直しだとか、Music For Cars EPからの直接の引用もあり得るだろう。例えばChocolateの歌詞のオマージュなんかが登場したらマジでアツイよな!!

アンビエントな雰囲気になるという予測は概ね当たったが、現時点で過去曲のオマージュは見られていない。トラックリストにはHow To Draw がある

How to draw (bonus track) the 1975 - YouTube

 

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また、マシューヒーリーは「今度のアルバムは一つの金字塔的作品、歴史に残る三枚目、『OK Computer』、『Queen Is Dead』に匹敵するものでなくてはならない」と語るほど次のアルバムに入れ込んでいる。マシューヒーリーの着地点として掲げた二枚の歴史的作品と次作『Music For Cars』の奇妙な関連性に既にお気づきになっている方はいらっしゃるだろうか。

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Cars、車というワードとOK Computer、Queen Is Deadの関連性。Music For Carsというタイトルは、RadioheadのAirbag、The SmithsのThere Is A Light And The Never Goes Outの歌詞に悪役として登場する車たちを揶揄するものなのかもしれない。ドイツ車、10トントラック、2階建てバス、あれらの為に書かれた音楽というのがThe 1975 の3rdアルバムであるとすれば、これまたこんなにアツイ展開はない。

 Love It If We Made It を聴いたら「ミュージックフォーカーズ」のカーはカーセックスのカーだということがわかりました。ちなみにLove It If We Made It のイントロは、マックのエラー(「ボッ」ってやつ)をサンプリングしてるという噂。

The 1975 - Love It If We Made It (Audio) - YouTube

 

 

 

ここからは彼らのアルバムのあれこれをほのめかすビジュアルであったりポスターなどに着目して話をしていこう。

まず一つ目がマシューヒーリーの見た目の変化。

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ツーブロクソイケメンからボサボサパーマのアセクシュアルな見た目へと変貌したファーストからセカンド、そこには明らかなイメージチェンジがあった。ファーストアルバムに連なるツアーでは、公的存在として世界中の女性に黄色い声援を投げられるという立場に苦悩しステージ上で「オレはあんた達を愛してるけれど、あんた達にはオレのことを愛してるなんて言う資格はないんだよ!!」なんて言い散らかして大泣き崩れるような場面もあったし、これからこのバンドやってけるんだろうかって思っていた人は多いだろう。そんな中、ツアー後に解散疑惑の騒動があり、僕たちは大層嫌な汗をかいたものだ。

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その後に現れたのは、派手なピンクに包まれたボサボサ髪にドラァグクイーンのような化粧のマシューヒーリーだった。そしてThe 1975が撃ち放ったのはLove Me(愛してょ)というタイトルの、80年代風のエグいポップチューンだ。人間マシューヒーリーはセカンドアルバムでマッティという名のロックスターのペルソナの下に隠れ、メンヘラという一面をうまく対処したのだ。ゴスごっこをやったりプリンスごっこをしたりとなかなかI Like It When You Sleepツアーではマッティというキャラが様になっていた。

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Music For Carsで彼はどう変わったか。数か月前に短髪にブリーチして紫色に染めちゃってみんな巣鴨だ巣鴨だとネガティブな意味で騒いでいたが、安心してほしい。今月に出たよりちゃんとしたビジュアルは赤髪(エクステ?)。マイケミカルロマンスのジェラルドウェイだったり、パラモアのヘイリー嬢を彷彿とさせるシャキッとした直毛。リードシングルはより00年代的なエモ~い奴になるかもしれない。それがアンビエントな曲の中に燦然と輝くのを想像するともう射精してしまう他はないのではないだろうか。

記事が発表された直後ラジオで流れた先行シングル『Give Yourself A Try』は実際にエモ〜な歌だった。

The 1975 - Give Yourself A Try - YouTube

 

今回ポスターだったりも何種類もあふれ出ている。共通してみられる言葉は「A Brief Inquiry Into Online Relationships」(アルバムタイトルだった)、「ネット交友に関しての簡単な調査」(邦題は「ネット上の人間関係についての簡単な調査」になったらしい。ちょっと惜しい)というもの。FallingforyouのMCで「この曲だけでいいからスマホ下して画面通さずに直接オレ達を見てくれ」って毎回言っていたり、A Change of Heart に「彼女はサラダの写真を撮ってネットに挙げた」って歌詞があったりと、ネットのあれこれには前からあからさまに嫌がってる様を見せていたり、皮肉を飛ばしてたりという感じだったからまあそういうことなんだろう。ISAIAH 6:9-10 と聖書の1節を示すようなポスターもあるが、気になる人はイザヤ六章九~十節を検索してみてほしい。そうしてもらえると何となくコンセプト的なものが見えるはずだ。

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3rdアルバム『Music For Cars』が1st『The 1975』、2nd『I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful yet So Unaware of It』と続く連作の最終章になるであろうという発言(発言は撤回され、Music For Cars Era という新章の始まりが告げられた)から、僕は今度のアルバムにも、てっきりこれまでと同じくネオンロゴのアルバムアートワークがあしらわれると思っていた。しかし、SNSやポスターのロゴ、カウントダウン等のフォントの方がHelvetica風のサンセリフ体、Swisse Int'lに変わっている。今までの可愛らしいCentury Gothic系のものと印象がガラッと変わった。ファーストセカンド間でもブックレットのフォントにCentury Gothicからオリジナルのフォントへのマイナーチェンジがあったものの、今回はそれどころではなく随分違うから、ジャケ自体もひょっとすれば全く違う雰囲気のものになる可能性があるアタリ)

僕としては今まで通りの方がいいのだけれど。

 

最後に、今まで通りのアートワークであるとすれば何色になるかという僕の大胆予想を聞いてほしい。

 

黒字に赤ですね(ハズレ)

(→The 1975 ファンあるある、「No Rome は好きけど、Pale Waves はあんまハマれてない」の弊害で今日までPale Waves の新譜がまさに黒地に赤だということを知らなかった)

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(↑実際に発表されたアートワークはこちら。)

(お気づきだろうか、カラフルなピクセルはTOOTIMETOOTIMETOOTIMEのビデオの背景の色と同じだ。ピンク、紫、水色、赤、黄、緑、ほらごらん。あれ黒は?マッティのスーツちゃいまっか。ていうかアートワークの真ん中の、黒とピンクの四角がくっついてるのってアレですよね、1stと2ndが並んでるって認識でいいんですよね。カワイイ)

The 1975 - TOOTIMETOOTIMETOOTIME Official Video - YouTube

 

彼らの次のアルバムは21世紀のロックミュージックのシンボルになり得るだろう(なり得る)。きっと成し遂げてくれるものだと僕は信じている。新しい曲を聴くのが楽しみで仕方がない。

 

 by Merah aka 鈴木レイヤ

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