Apollo96

地球の月から文化共有。音楽、映画、文学、旅、幅広い分野を紹介します。時々創作活動も。

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Superorganismが、2018年を絶対圧巻します

 

やばいバンドが出てきた。
早耳な音楽リスナーなら既にご存知かもしれないが、筆者は恥ずかしながら来日公演が終わったほんの数時間後にこのバンドの存在を知ることになったのだ。
Superorganism、「超個体」の名を冠するこのバンドは日本、アメリカ、イギリス、ニュージーランドと各国からインターネットを介して多数の才能が集ったまさに「超個体」。(当ブログも実はそうなのでシンパシー感じますね。ごめんなさい)そんなスーパーバンドを率いて歌うは日本人のティーンエイジ、Orono嬢だ。若干17歳だというから驚きだ。
ポップでサイケデリック、それでいてダウナー。一緒に楽しもうよ!と呼びかけられているようで、踏み入っちゃ帰ってこれないような不思議な世界。粘っこいテクスチャを纏った色彩の洪水のようなこのサウンド、本当にグラグラくる。鮮烈だ。
これまでにGrouloveや夙川boysの記事を書いてきた筆者、要約するところマジでこのバンドがドストライクである。


かのArectic MonekysやFranz Ferdinandを擁するDomino recordsと契約を結んでおり、現在Apple Music等でセルフタイトルを冠したファーストアルバムの先行配信が開始されている。
というわけで思いっきりフライングだが、待てが出来ない筆者によるファーストアルバム「superorganism」の先行ディスクレビュー、行ってみよう。

 


01:It’s all good


後述2曲目のEverybody~と両A面シングルとして先行リリースされている。
Arcade Fire以来の「ガヤでいいから入れてほしいバンド」の登場だ。「なになに仲間に入れてよ!」と踊り出してしまいそうな、まさにアルバム1曲目にふさわしいキャッチーさを抱いている曲だ。
未だ大人になりきれずに大人になった私のような人間の、心の痒いところをチョチョイっと掻いてくれるような楽しげで怪しい音。1曲目からドストライクである。叶うことなら苗場の空で、それか幕張もしくは舞洲の海のほとりでイッツオールグッドと叫びたくなる曲である、欲目を出すならもう今年中には。

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02:Everybody wants to be famous


先述1曲目と同じくしてシングルリリースされているトラック。ちなみにこのシングルも今作のアルバムアートワークもOrono嬢が手がけたもの。2000年代生まれがここまでの才能を抱え世界へ飛び出してしまう時代だ。妬けちゃうねほんと!
そんな彼女が皮肉を込めて’’Everybody wants to be famous’’とSNS時代をユーモラスなトラックに載せて揶揄をする。まさにインターネットを介して集まり破竹の勢いでシーンを爆進しつつある彼らが演るからカッコいい曲。ほんと敵いません。

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03:Nobody cares


現在先行リリース中の本作で、公式にはここで初出しとなるのがこの曲。となるとこのアルバムは間違いない、間違いなく。Orono嬢の独特の魅力を放つ日曜の午後2時のごとくな気だるげなボーカルが映える曲。

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06:Something for your M.I.N.D.


昨年1月に公開されたSuperorganismのデビューシングルであるこの曲。縦横無尽に駆け巡るサンプリングサウンド、イヤホンの不調を思わせるギリギリの攻めたエフェクト。1発目にして土壌が完璧に仕上がりすぎている。
これだけ1作目からバンドコンセプトを明確に打ち出しつつも、いきなりそのコンセプトに踏み入りすぎて自らその世界観を打破できず停滞、といった近年の新規勢力にありがちな状況に陥りそうもない。それだけ懐の広い音楽をやっているという印象を見受けた。

 

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10年代も残す所あと2年、この多様性の時代においてこれぞ10年代の音だという概念を打ち出すことは野暮だ。
だがこのバンドが持つのバックグラウンドである「インターネット経由であること」「多国籍かつ年齢層の広さ」、それと制作スタイルである「メンバーそれぞれの好きなものと得意なことを詰めていく」、この3項が混ざり混ざってSuperorganismができていく。ソーシャルメディアが発達し、人と人の出会いが偶然のものから作為的なものになり、コンテンツの共有も過去名作と呼ばれたものを消費するのにも垣根が低くなってきている2010年代だからこそ、彼らがシーンに登場すべくして登場したと感じた。

 

そんな彼らのファーストアルバム「Superorganism」は2018年3月2日リリース。マジで待ちきれません。
この手のバンドがシーンを圧巻してナンボの2018年の世の中だと思っています。キリンのように首を長くして待ちましょう!ていうかほんとガヤでいいから加入したい!!ダメならフジで見たい!!!以上、本日のオペレーターはべしちゃんでした。

 

 

by beshichan