可愛いだけのPINKじゃつまらない!いま聴くべき「CHAI」とそのリスナーが聴くべき「GIRLI」
こんばんは!近頃よくお見かけしますね、べしちゃんです。
まだまだ寒いことかと思いますが日本では暦の上では春を迎えたそうです。我々月面管制塔にいる設定の身分としてはあんまり寒いも温いも関係ないんですけど、リアルに過ごしている大阪では少しずつ日差しも暖かくなりつつあり、桃色に染まった春がますます待ち遠しく思えます。
桃色?ピンク。そう、PINK!
関係ない何かが今よぎったが、昨今1番アツいPINKと言えば、昨年晩秋ファーストアルバム「PINK」をリリースし、今ノリに乗ってるCHAI!
そしてそんなCHAIを聴く人ならばこれも聴け!そろそろ絶対バズる、蛍光PINKのスーパーニューカマーGIRLI!
今回はそんな二つのPINKの紹介をば。
NEOカワイイの旋風は止まらない!今をときめくCHAIの魅力
もう単独のチケットが全然取れないしゴリゴリに海外遠征もこなしちゃう、いま日本のバンドシーンで一番キテるオンナたちことCHAI。まずは一度彼女らについておさらいしよう。
〜以下公式ウェブサイトより抜粋〜
ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、『NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド』、それがCHAI。
誰もがやりたかった音楽を全く無自覚にやってしまった感満載という非常にタチの悪いバンドで、2016年の春以降、突然いろんな人が「CHAIヤバい」と韻を踏みながら口にし始め、ある日突然ノンプロモーションなのにSpotify UKチャートTOP50に代表曲『ぎゃらんぶー』が突如ランクイン! (※最高位36位)。
ほんまそれ〜自己分析のプロ〜もうアタイ書くことな〜い…なのである。
とにかくタチが悪い。コンプレックスはアートなり〜というコンセプトを掲げて笑顔全開で難なくゴリッゴリの音楽を演っちゃう彼女らにとって、それこそ世に言うコンプレックスである外見的ポイントであったりだとか、女性性であったりだとか、その持てる全てが武器なのだ。
武器は武器でも彼女らの其れはむき出しの銃器のようなかたちをなしているわけではない。コンプレックスという言葉については、何か無理くりポジティブな御託を並べ肯定を促す従来型の対応はしない。例えるならば、
''もともとそこにあるもんなんだから、そういうもんでしょ?''
といった、非常にナチュラルなスタンスで、リスナーのCHAIというバンドに対する肯定、はたまたリスナー自身の持つコンプレックスへの肯定を、音楽という媒体で促す。このスタンスは、強いコンセプト性を持って創作活動をすることについての一種の完成形であるように思える。
彼女らが女性であるということも同じことが言える。ガールズバンドなのにすごい、女だからこういうスタンス、といった文脈は一切彼女らには通用しない。先述のコンセプトの部分と同様に、彼女らが持って生まれたオンナであるという前提をただ最大限活用しているだけなのだ。
だからこそそこら辺のガールズバンドとは一線を画した存在であるし、彼女らの名乗るところのオンナバンドという言葉がしっくりくる。
これらのブランディングは計算づくなのか、はたまた本当にほいほいっと自然にここまで勝ち上がってきたのかはわからない。どちらにせよ最高にタチが悪く、そういうところがまたNEOカワイイ。
昨年10月に発売された彼女らのファーストフルアルバム「PINK」。
こりゃまたえらい名盤だ。あくまでファーストなので先述のコンセプトを主軸にしながらも、多岐にわたった色を持つ楽曲で魅了する。
ボーカル・マナのやわらかな歌声にユーモラスで愛嬌たっぷりのリリックが乗り、そこに変幻自在のカナのギター、ユウキユナのゴリッゴリに聴かせるリズム隊。普段邦楽聴かないという層にもサウンド面からがっつり響くはず。
まずはご一聴あれ。めっちゃNEOカワイイから!テンキュ。
蛍光PINKのHOT MESS、英国発ネクストガールラッパー「GIRLI」とは
CHAIのことなどもうめちゃくちゃ知っとるわ今更野郎めと仰ったそこのあなた、アイノウテンキュ。
そんなあなたに聴いてほしい、もう1人の最高のオンナを紹介したい。
見よ、この見たからに「PINK」っぷり!
彼女は英国がぶっ放すネクストガールラッパー、GIRLI。ミュージシャンと活動する傍らプロデューサーとしても活躍している。また、CHANEL×i-D ''The Fifth Sence''でもフィーチャーされた経歴を持つ。
ヤバいのはそのインパクト絶大なビジュアルだけじゃない。本拠英メディアにて”urban-cyber-electronic-sugar-dance-pop”(なにそれシューゲイザーバンドか???)と称されたそのヤバい音楽は、GorillazやBrooke Candy、延いてはJ-POPからインスピレーションを受けているという。
これは彼女の音楽活動最初期のトラック。ゴリゴリのリズムトラックに散りばめられたフレークシールのようなサンプリング(マリオの死に音からiPhoneの通知音、謎の日本語まで)。チップチューン的でありながらも、毒々しくドープ。そしてそこに乗るのは明らかに過剰演出している「カワイイ声」。確かに人は選ぶ音楽ではあるが、あえて言わせて!最高かよ。
バチボコ反骨精神とkawaiiカルチャーにエレクトロにラップと闇鍋状態で展開する彼女の楽曲とその唯一無二の世界観。
とりあえずピンク、あとは好きなものを詰めて煮込む。そしたらあとは勝手にGIRLIの名前に着いてくる。といった具合の彼女の掲げるコンセプト。先述の曲のようなあざといチップチューンであっても、ダブステの要素を取り入れたダークなエレクトロ調の曲でも、何をやっても確かにGIRLIでしかないのだ。つまらないという意味では毛頭ない、それくらい彼女そのものが面白いのだから。
そんなGIRLI嬢は昨年末、EP 「HOT MESS」をリリースしたばかり。これを機にあなたもGIRLIの闇鍋を味わってみませんか。ちなみに1997年生まれの彼女と筆者はまさかの同級。やっべえな負けてらんねえわ。
GIRLIの「Hot Mess - EP」をApple Musicで
両者とも狙ってやっているのか自然とそうなったのか、そこを見せずにズルイ笑顔ではぐらかすブランディングが上手い。だからこそ我々リスナーはある種の安心感を抱いて彼女らの繰り広げるPINKの世界にどっぷりと浸かれてしまうのだろう。
さあさあまだまだ寒いですが、この2つのPINKを聴きつつ、今しばらく春の訪れを待ちましょう。そして桃色の花々が咲き誇る頃にはどっピンクのヤバい強えオンナに様変わりを目標に。本日のオペレーターはべしちゃんでした、テンキュ❤︎