Apollo96

地球の月から文化共有。音楽、映画、文学、旅、幅広い分野を紹介します。時々創作活動も。

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2017年新譜ランキング by Merah

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今日は2017年新譜アルバムランキングを発表します。

 

 

 

説明

毎年何らかの形で僕はTwitterにその年リリースされたアルバムのまとめをツイートしているのだが、今年はせっかくブログを始めたわけだし軽く一枚ずつレビューをつけていこうということにした。ちなみにTwitterでアンケートを取ったところランキングにしてくれという声が最も多かったので渋々採用。去年は順位をつけるの何だか気が引けて順不同にしたのだけど、今年は割り切って順位づけです。

最初は公正で皆から共感を得られるランキングを作ろうと思って極力好みとか思い入れとかを排除しながら聴き直していたのだけれど、途中でそれなら大手メディアのランキングを集めてきて平均を取れば良いじゃんねと思ってしまった。だから今年は自分の好みとか思い入れとかそういうのも無視せず素直なランキングを作って、素直な感想を書いていきたいと思う。

(ランキングには今月他の人の年間ベストを見て初めて聴いたバンドは入れていません。聴きこむのが間に合いませんでしたので。)

ランキングは23位からスタートします。どうしても23枚以下に絞れなかったのでキリが悪いですがご勘弁を。

(ポストロックは黙って排除しました。別にランキングを作ります。)

あと感想割と長いのもあるので、読みたくなければシャッシャとスクロールしちゃってください。

 

じゃあせっかくなのでカウントダウン形式で!

プレイリスト作ったんでスポティファイユーザーの方ぜひ聴きながらどうぞ 

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 23位から16位

 

 

 

23位 Broken Social Scene / Hug Of Thunder

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カナダ出身のスーパーグループ、ブロークンソーシャルシーンの6枚目。

今回のアルバム、圧倒的完成度と多幸感を見せつけられて、やはりカナダを象徴するバンドは彼らなんだと確信した。「優しく壮大で幸せなあの感じ」「人数がめちゃくちゃ多くてメンバーの把握が困難」「ポストロックの層も厚い」などという僕の中にあるカナダのイメージを凝縮したようなバンドであり、アルバムである。

今年はアーケイドファイアが一味違っていたので、あっちが気に入らなかった人は是非ブロークンソーシャルシーンを。

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22位 Novella / Change Of State

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イギリスの男女混成ロックバンド、ノヴェラの2ndアルバム。

ステレオラブっぽい女性ボーカルでちょっとフレンチでオシャレな感じのモダンガールたちのバンド、アー写も可愛らしくて女の子女の子してる。などと前作の印象のまま油断して聴くと足元をすくわれる。

今作ではノイズのヴェールが剥がれた分だけヘヴィーなサイケが前面に押し出され何とも濃い出来上がりになっている。前作はシューゲイズよりでインディーなドリームポップ、今作はじっくり煮詰められたサイケ、これからが本当に楽しみなバンドだ。サイケインディーというよりはむしろストーナーインディなのかもしれない。落ち着くし。

ちなみに今年はRideのサポートアクトにも抜擢されていた。徐々に知名度も上がっているようだしこの調子で躍進してほしい。フジロックのフィールドオブヘヴンで観たい。

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21位 Pixx / The Age Of Anxiety

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ポストグライムスな4ADの新人SSW。ミステリアスなポップミュージック、MGMTの踊れるチューンが好きな人にもオススメ。真新しいものがないと言えば確かにその通りかもしれない。

でも、こんなめっちゃくっちゃ楽しい病みつきになるアルバム、かっこつけて「こんなのただのコピペじゃん」と切り捨てることはできない。

本当にめちゃくちゃ楽しいので早くこれ聴いて雨の中を出かけていきたい。

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20位 The Horrors / V

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お気に入りの曲はオープニングトラックのHologram、5局目のGhost、もちろんシングル曲たちも完璧だ。常に変化し続けるホラーズのこれからが不安楽しみだ。

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19位 Airiel / Molten Young Lovers

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Airiel は1997年結成、シカゴ出身のバンドだ。シューゲイズファンたちの間でカルト的人気を誇っていて、一部ではとても有名である。(名盤を再発しないとそりゃぁそうなるでしょう)

EP、シングルは小出しにしているようだが、フル尺のアルバムを出すのは何と10年ぶり。

まさに待望の新譜なのである。(きっと極端にアルバムリリースのスパンを大きくしファンを極限まで飢えさせることで、飽きられることを回避しているのだ。)

Airielの音楽の持ち味はどこまでも甘いヴォーカルとそれを包み込むラウドなギター、若いカップルがこれを聴くとやはりアルバムタイトル通りに溶融してしまうだろう。

基本的に、初期シューゲイザーバンドたちの奏でるノイズにはどこか「無理して背伸びして格好をつける冴えない十代であったり、自分をいつまでも子供だと信じ込んでいるイタいお大人」みたいな雰囲気があると僕は思うんだが、

Airielのノイズからは成熟した大人らしさを感じる。色気もある。本当にカッコイイと思う。

始めた頃からやっていることはシンプルで、20年経った今もそれは今も変わらない。きっとこれからもそうなんだろう。

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18位 Beach Fossils / Somarsault

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良さが全くわからないバンド四天王に長らく君臨し続けていたビーチフォッシルズだが、12月になりふと何となくこのアルバムを聴いてみて一気に好きになってしまった。好きになったばかりなのでどういうところが好きなのかまだはっきりとは分からないのだが、晴れた日の午前の外出はよくこれか一つ前のクラッシュザトゥルースを聴いてる。

この音楽を聴いた日は日記のタイトルに青春というに文字を書いてしまいそうになる。

そういえば二曲目のタンジェリン、綺麗な声の女性が歌っているなぁと思っていたら何とslowdiveのレイチェルだった。とても驚いた。

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17位 Secret Shine / There Is Only Now

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今年はまるで90年初頭のイギリスにタイムスリップしたかのような一年だった。しかし、元祖シューゲイザーの新譜はRideとSlowdive、The Jesus And Mary Chainだけではない。

シークレットシャイン、90年代初頭シューゲイズシーンを支えたバンドの一つがアルバムを出している。

再結成組の新譜が10年代の新しい風を纏ったオリジナルであるのに対し、シークレットシャインの今作はより原始的なシューゲイズ、何も変わらぬとても純粋な轟音と囁きの音楽だ。シューゲイズ好きの方は彼らの所属レーベルの他アーティストも要チェックです。

社会から孤立しようとしたのにネットに依存してしまった大学生、背伸びして格好つけ自分を繕う10代、大人になるのを拒み続けありのまま探し悩む20代、黄昏の青い光に寄せられ恋をして自他を傷つけ続ける若者たち、

このような所謂典型的なシューゲイザー第二世代の皆さんが本当に求めていたものはこのアルバムなのではないだろうか?

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16位 Wozniak / Courage Reels

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スコットランド出身のシューゲイズバンドWozniakの1stアルバム。彼らが演奏するのは凄く不安になるような音楽。荒削りな轟音の中に今にも消えてしまいそうなボーカル、どことなく儚く美しい。何だか凄く寂しくなる音楽で、ちょっと怖いくらい神秘的な印象まである。Slowdiveやコクトーツインズに通ずるところもある。

何ていうか

過疎化した漁村で、廃屋の屋根のトタンがカタカタと潮風に揺れている景色を見ながら聴きたいアルバムとでも形容すればいいのだろうか。有機的な一面にSigur Rosを、混沌とした雰囲気にMogwaiを感じてしまう。

そう、このバンドはかなりポストロックとしての性質が強い。

本人らは自らの音楽を、とても映画的でありながら同時にとてつもなく情熱的だと称している。

めちゃくちゃ暗いのでダメな人は本当にダメだろうが僕はめちゃめちゃ気に入ってるので一人でも多く新しく聴いてくれる人が出てきてくれればといいと思う。

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15位から5位

 

 

 

 

15位 The Killers / Wonderful Wonderful

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ツアーのメンバー編成が激変!キラーズどうなる!?という風な世論が吹き荒れる中リリースされた今作は初めてアルバムアートワークにお馴染みのドットロゴがあしらわれなかったアルバムである。いつもと何かが違うというのは先行シングルのThe Man を聴いた時点で感じていたことでもあるが。

購入後に電車でブックレットを読んでいて気がついたが、なーんか違うよなという違和感の根源はきっとデビュー当時から在籍していたギタリストであるデイブの不在である。

ブックレットにあるアー写にも一切写っていない上に、ほとんどの曲の作曲、半分の曲のレコーディングに参加していないのだ。これがどちらに転んだかは聴けば分かるはず、デイブには悪いがあの特徴的なギターがなくなったことで一味違う名曲が誕生した。

それはRun For Cover だ。ジャックナイフリーがデイブの代わりにギターを弾いたことであんなに熱苦しい曲がクールにまとまった。

またデイブが参加してる曲を聴けば、やはり彼のギターあってこそのキラーズだと感じてしまうので彼にとっても美味しいと言うことにして良いだろうか。

何せ今限定のキラーズなので、デイブが復帰する前に存分楽しんでおきたい。

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14位 Thundercat / Drunk

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フジロックで見逃してしまった後悔を理由に下半期はめっきり聞かなくなってしまったがとてつもないアルバムだと思う。みんな聴いているので詳しい話は省略。聴けばヤバいと分かるのでまだ聴いていない人は一度でも聴いてみてほしい。長い以外に欠点がない。

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13位 (Sandy) Alex G / Rocket

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これぞまさに音楽だと言いたくなる素晴らしい才能。純粋でシンプルな曲の良さだけにここまで惹かれたのは久しぶりだと思う。シューゲイザーの轟音だとかサイケのぐるぐる感だとか、エレクトロニカの多層的な感じとか、そう言う音にばっかりこだわるタイプの僕がこう言うアーティストに心を打たれると本当に病みついてしまう。好きで好きで堪らない。
DIIVのザカリーコールスミスがアレックス・ジーザスと呼んで崇拝している理由も分かった。エリオットスミスの生まれ変わりか神様かのどちらかだと思う。

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12位 Lee Ranaldo / Electric Trim

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友人に紹介され一聴目で即ハマってしまったのがこのアルバム。ソニックユースよりサーストンムーアのソロの方が好きですよ〜ってタイプの僕だったけど今年はイマイチだったなんて話していたら、ソニックユースもう1人のギタリストのリーラナルドは?って言われて、ソロでアルバム出てるんだ!と聴いてみたらめちゃくちゃ良かった。

オルタナ×ソニックユース(ソニックユースが一つのジャンルだという一般認識をふまえ)って感じの音楽で、現パナ音速もこれくらい太い曲やってよって思った。こういう曲をああいう音でやってくれたらガンガンはまるのに…
おおっと脱線しすぎぃ。とにかくリーレナルドのこのアルバムはアメリカ勢のちょっとなぁピンと来ない最近…って気持ちを全部吹っ飛ばしてくれた最高のアルバムです。

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11位 RIDE / Weather Diaries

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これに関してはたくさん言いたいことがあるので出来れば後日単体で記事を書きたいと思うが、簡単に述べるとスターウォーズEP7のようなアルバムである。遠い過去とこれからのバンドを繋げる音、今後のライドの一つのシンボルになるであろう作品だ。誰も文句言いようのない素晴らしい復活だろう。こんなのも出来るのかって場面もあった。

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10位 Steve Hackett /  Night Siren

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元ジェネシスのギタリスト、ピーターガブリエル時代のジェネシスを支えたスティーブハケットの25枚目のソロアルバム。彼のソロはプログレというよりむしろサイケで、最近のサイケバンドたちが大好きな人には美味しすぎる音楽だと思う。

今作は彼のキャリアの中でも5本の指に入る出来だと感じている。美しいファンタジー世界、幽玄のサイケデリア、テンプルズの祖父が孫に負けまいと出したアルバムと言うところだろうか。

スポティファイから消えてしまったのでプレイリストに入っておりません残念ですが。

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9位 Colour Haze / In Her Garden

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ドイツ、ミュンヘンの出身のストーナーサイケロックバンドのカラーヘイズ、12枚目のスタジオアルバム。このバンドを知ったきっかけはホステスさんのテームインパラ紹介記事。多大な影響を与えたというバンドの羅列にある見慣れないとてつもなくサイケなバンド名、どんなものかと聴いてみればまさにポップさを抜いて少しヘヴィーにしたテームインパラのようなサウンドで即座に恋に落ちた。SNSもロクにしない謎のバンドだがスポティファイのおかげで今作のリリースにすぐ気づくことが出来た。本当に助かった。

今作も当然、テームインパラのライブでの間奏のようなサイケデリックすぎる音楽に太いボーカルが絡みついて極上の音楽に仕上がっている。今までと違い今回はミニマルな音の層が底に敷かれていて、心地よさが増していて良すぎる。音だけでトリップできる。

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 8位 Wolf Alice / Visions Of A Life

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ウルフアリスのセカンドアルバム、見事僕の希望してた方向性でアルバムがリリースされてしまい、こんな事があって良いのかと戸惑った。
ノスタルジーの爆発。あんな短期間でこんな理想通りのアルバム作れるのか!さすがダーティヒットの奇跡その2!!
1stアルバムで全力を出し切って貯金無しの状態でセカンド慌てて作り大滑り&フェードアウトする若手バンド全員が見習うべき、フェードアウトしなかったけどアルバムはイマイチなキャットフィッシュも見習うべき、出来は良いけど毎度時間かけ過ぎてるテンプルズやTOYやホラーズも見習うべき!
イギリスのロックの結晶がただただ順調に成長して、大きく美しくなっていく、このバンドの活躍をわりと始めの方から眺める事ができて幸運だ。

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7位 Slowdive / Slowdive

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スロウダイヴの最新作、このアルバムには掛け替えのない音楽が詰まっている。
ぼくはこのアルバムの音楽を聴いて何度も泣いてしまった。
Star Roving が公開された時、一月、ぼくは京都の友人の家にいた。そこでオンオン泣いていた。それだけあの曲が我々の「期待」そのもののような音楽であったということだ。純粋に音だけに感動して涙を流したのは生まれて初めてだった。
もう一つのシングルSugar For The Pill では曲の出来、slowdiveの進化に感動させられた。slowdiveはただの懐古ではないのだと安心させられた。

待ちに待ったアルバムリリースの日は、Slomoを聴いて予定通り大号泣してしまった。Slomoのスタジオ音源はslowdive史上最高の記録だ。泣かないわけがない。

同じくセルフタイトルのSlowdive EP のような初期衝動、Just For A Dayのごんごん揺れる感じ、スーヴラクのポップさ、ピグマリオンの静寂、解散後のそれぞれのプロジェクトでの成長、再結成して起こった未知の化学反応、そういうのが全部46分に詰まっている。短いアルバム大好きな僕もさすがに好きすぎて、レディオヘッドのTKOL以来に「アルバム短すぎるもっと欲しい」と騒いでしまった。
slowdiveはここで終わりではない、これからもたくさん泣かせてほしい。

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 6位 Pete International Airport / Safer With Wolves...

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『ピートインターナショナルエアポート』このバンドはダンディウォーホルズのギタリストであるピーターホルムストロームのバンドである。
7年ぶりのアルバムである今作は前作同様にド直球のサイケである。
4曲目のフラワーオブイーヴルはボーカル、作詞がブラックレーベルモーターサイクルクラブのロバートだ。ゆっくりとうねるこの曲、誠に素晴らしい。ピーターホルムストロームにこの曲の原案を聞かされたときロバートは「もしこの曲を他の人間に歌わせたらそいつを殺す」と言ったらしい。

なんでこんなに良いバンドが話題にならないのかがさっぱり分からない。どう考えてもダンディーウォーホルズより良い。
とにかく全編純度100パーセントのサイケデリア、本当に素晴らしい。また次のアルバムまでたくさん待たされるのだろうが結構、このアルバムでその時まで食い繋げます。

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5位から1位

ここからはどれも一番ってくらい大好きです。で、結局順位がつけられませんでした。ごめんなさい。

 

 

1位 Arcade Fire / Everything Now

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これは今年ぼくを直接勇気付け、直接慰め、奮い立たせたアルバムだ。2017年の精神的柱を担ったアルバムという部門があったなら間違いなく単独一位だ。
ぼくがアーケイドファイアにここまでのめり込んだのは高校2年生の時以来だ。正直ここ3年くらいほぼ全くと言って良いほど聴いていなかった。一切響かなかったから。
正直ずっとアーケイドファイアを聴いても嫌味にしか聴こえなかった。
そんなこと言われても俺は頑張れないし、人生謳歌できません。いつもそう思ってしまって若干引き気味に、ポストロックとかシューゲイザーとかサイケとかそう言う現実逃避系音楽に逃げていた。

しかし今年、皆が酷評している新しいアルバムを恐る恐る聴いてみればめちゃくちゃ綺麗だし壮大だし、何故か色々やる気とか元気とかが出てきて、実際頑張ることも出来た。凄かった本当に。
今までは他人のお祭りだったアーケイドファイアが今作では僕のものだった。Everything Now (Continued) を聞くと何かが始まるような気がしてワクワクする。アーケイドファイアの音楽が生活に寄り添った瞬間どこか人として認められたようにさえ感じた。
この場を借りてエヴリシングナウは、ネオンバイブル以来の傑作だと声を張らさせて頂きたい。
愛している、アーケイドファイア!

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 1位 Splashh / Waiting a Lifetime

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Splashhのセカンドアルバム、Waiting A Lifetime はまさに努力の結晶。
1stアルバムComfortで鮮烈なデビューを果たしたインディロックバンドSplashhは四年もの間イメージチェンジを図ってきた。ファーストアルバムのスタイルに嫌気がさして新しい音を探しているとかつてインタビューで語っていたのを読んで、ちょっと寂しく感じたけどそういう野心的なバンドは偉いと思う!

一度シングルをお披露目した以外は全然試着室から出てこなかったのは本当に焦ったかったけど。
4年かけて何度かスクラップ&ビルドして出来上がった今作で築き上げられたのは、よりロックでパワフルになったSplashhだ。4年も探求したエレクトロニカなど他ジャンルからの要素もふんだんに取り込んだ今作は聴きごたえも十分。そして彼らのアイデンティティである気だるい白昼夢メロディは今作でもぼくの(個人的事情によって引き起こされた)終わらない夏を正当化してくれた。
最高のセカンドアルバムをありがとう。
みなさん彼らにお金を払ってあげてください、もっと売れていいはずです。

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1位 Four Tet / New Energy

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僕の中でフォーテットはトムヨークに並ぶ天才である。
そしてこのアルバムはRoundに次ぐ彼の傑作アルバムかもしれない。エレクトロニカというジャンルから飛び出した今年の最優秀ロックアルバムだと僕は思う。
短めの尺で形のハッキリした曲たちが揃っているので入門にもぴったりかと。

アルバム発売前から収録曲を小出しにしていてどれもクォリティが高かったけど、僕はプラネットを聴いた時これは来そうだなと思った。CDを買うまでストリーミングで聴くまいと決意してCD屋さんへ行ける日が来るまで聴くのを我慢していたけど、本当に期待通りで最高。(せっかく買ったフォーテットのCDを勝手に部屋の掃除した際に捨ててしまった当時の彼女を決して許さない)
Lush やDaughterもポップで楽しいのでオススメ。

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1位 James Holden / The Animal Spirits

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トムヨークも認める凄腕イケメン早熟DJジェームズホールデンがバンドを従えアルバムを作った、それだけで話題性十分な今作。
エレクトロニカの垣根を飛び越えた着地地点に響くのは宇宙である。
有機的な音使いのDJが持ち味の彼、逆にバンドを組んでエレクトロニカらしさが増したと言うか。有機世界を突き進んで大気圏を超えて何もない宇宙の真ん中に落っこちたような感じだ。

ミニマルなシンセサイザーのパターンにリズム隊が絡みこんで行って、金管が動き回って、まるでピアノの代わりにDJを軸にしたジャズクインテットのような感じ、バンドの人たちは即興なのだろうかやはり。まじで宇宙。

ミニマル、クラウトロック、ジャズ、エレクトロニカ、民族音楽、のいいとこ取りアルバムで本当に大好き。瞑想にうってつけの音楽かな。

せっかく今年来日したのに見られなかったのが悔しすぎる。

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1位 Temples / Volcano 

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ありがとうテンプルズ

ケタリング神話第2章、富士山、インド映画の踊り、完全進化でした。

→大まかな感想はこちら

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終わりに

ここまでがぼくの年間ランキングになります。

一曲ずつ入ったスポティファイのプレイリストをまた下に置いておきますね。スティーブハケットだけなぜかないのでちゃう曲挟んどきます。

みなさんの年間ベストも大いに参考にさせてもらっております。Phoebe Bridgers とかKaitlyn Aurea Smith なんかめちゃくちゃ良いですね。出会うのが遅くて悔しい、でもまあ焦らなくとも来年でも聴けるので。あと魚好きなので金魚のやつ聴いてみたいです早く。

 

まあでもなんだかんだ今年はレディオヘッドのOKNOTOKがグランプリなんじゃないかな

by Merah aka 鈴木レイヤ

 

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Gengahr、期待のゴーストタイプ新人を早くHCWに呼んで欲しい。with マサヤさん

お久しぶりです。

今回はゲストをお呼びして対談形式で記事をお届けしようと思う。初めての試みです。
お客さんは有名人とかではない。ぼくのお友達で特別このバンドに思い入れがある人がいて、是非話を聞きたかったのだ。たまには他の人の意見を組込むのも良いだろうし、ぼくの知らない話もたくさん聞けるだろうし楽しみだ。


今日紹介するのはロンドン出身のバンド、ゲンガー。やはりバンド名はポケモンのゲンガーから取られてる。1枚目のアルバムA Dream Outsideは2年前リリースされ、来年3月には2ndアルバムがリリースされる予定になっている。
ウルフアリスのサポートアクトとして去年あたりボチボチSNSに映りこんでいたので知っている人は知っているだろう。それ以前にはAlt-JやThe Maccabeesのサポートアクトも務めていたそう。
彼らの音楽は、ジャンルで言うとインディーロック、サイケロック、シューゲイザーといったところだ。こうラベルを貼ってしまうとどこにでもいる普通のインディバンドのようだが、ぼくは他と一味違うバンドだと確信しているし、かなり期待もしている。
聴いた瞬間にゲンガーの音楽には言葉に表現しづらい良さが十分詰まっていると気づいた。
今日はなかなか紹介しづい彼らの魅力を全力で言葉にしていこうと思う。

 

 

 

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ーー「こんにちはマサヤさん。イギリス旅行からおかえりになったばかりで、バタバタしてる時にわざわざありがとうございます。今やっとじわじわと人気が湧き始めたイギリスのロックバンドGengahrについて、今日は色々お話したいと思って。
ついに2ndアルバムのリリースも決定したことですし是非このタイミングでみんなに紹介したいです。」

ーマサヤ「ええ。新曲を聴いている人もあまり見えないですし、この機会にぜひ協力したいです。」

ーー「では早速ゲンガーの話に移りましょう。最近、サイケでノイジーなインディーロックバンドって世界中に腐るほどいると思うんです。だいたいどのバンドも同じような感じで色々聴いてても正直すぐ飽きちゃうんですよね。でも彼らの音楽って、何かちょっと違うじゃないですか。
実際、ぼくは、マサヤさんにバンドを教えてもらったのが去年の春あたりでそれから結構経った今でも比較的頻繁に聴いているんです。人に勧められたバンドってよっぽどなことがないと好きになれないのに、なぜかゲンガーは素直にハマっちゃいました。」

ーマサヤ 「自分の紹介で聴いてくれてありがとうございます。とても嬉しいです。ゲンガーを知ったきっかけはHosttess Entertainment の広報ツイートです。当時ホステスは時々新しいバンドをTwitterで紹介していて、その時はFill My Gums With Blood のミュージックビデオが紹介されていました。それを聴いてあの独特の世界観に一目惚れしました。結局ホステスから1stの日本盤リリースはありませんでしたが。」

(アポロ96がサボりフェーズに突入している間にホステスからのゲンガーPRが再開されなんと2ndアルバムの日本盤リリースも決まった様です。ありがとうホステスさん。)

 

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ー「あんなに巷で話題になっているのに日本盤は出てないっていうのが不思議ですよね。せっかく日本が誇るポケモンのキャラクターからバンド名が取られている上、本人らもかなりの日本好きを公言しているバンドなのに未だに来日もないままでとても残念です。Gengahrの曲ってとてもファンタジックで優しく聴こえるのに、どこかからはっきり狂気というか激しく幽玄な潮流を感じられて少し怖く感じるんです。ゲンガーがゴーストタイプのポケモンなので本当にピッタリ。」

ーマサヤ「新曲のCarryonは屍肉って意味ですしね。」

ー「ゲンガーの音楽を形成するアイデンティティと言えるぼやけているようなのに存在感のある震えるようなギターとファルセットのボーカル、まくし立てるような緊迫したリズム隊の兼ね合いは本当に病みつきになります。」

 

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ーマサヤ「Haunter やTrampolineで使われてるカシオのミニキーボードも忘れちゃいけませんよ!
あっ、Embersのライブ映像見たことあります?リズム隊の話でピンと来たのですが、あの曲のドラムは本当に素敵です。歌詞に添うようにフェードインして、焦燥感を掻き立てるあのドラム。ライブだとそれがかなり化けて出てます。新曲のCarrionもEmbersのような要素を備えていて、新譜が楽しみです。」

 

youtu.be Embers の演奏は6分頃から


ーー「Embersのライブ映像を見たのは初めてなのですが、予想以上の化けっぷり。というかドラムもそうですがギターのジョンもキマってますね。これは本当に生で観たい。

そう新譜出るんですよね遂に。マサヤさんずっと待ってましたもん嬉しいでしょう。2ndアルバム、僕も本当に楽しみです。1stシングルのCarrionからは今までのGengahrよりダイレクトな力強さを感じました。MVも本当に曲に合っていて最高。やっとGengahrの新しいアルバムが聴けるんだなってワクワクでいっぱいです。あのどんどん突き進んで行く感じ、ミステリアスな音色、本当に素敵です。」

ーマサヤ「で、もう一つの新曲Mallory、あの曲は1stの雰囲気を引き継いでいますが、実はGengahrの前身バンドであるZen Arcade のスタイルを継いでる曲もいくつかライブで演奏されているんです。Zen Arcade はより正統派のインディロックで今のゲンガーとはだいぶ違うのですが、1stアルバムである程度地位を築いた彼らなら次作でそういう一面を見せても大丈夫なんじゃないかと思います。」

Zen Arcade - 'In Emerald' - NMEwww.nme.com


ーー「ふむ。確かに。確かにZen Arcade 時代の曲はよく言えば聞きやすくパワフルですが、悪く言えば普通、一度方向転換が必要だったというのも理解できます。

違った一面を見せてくれるゲンガーが楽しみです。
そういえば彼ら曲だけでなくアート面も自分たちでプロデュースしてるんでしたっけ?ぼくはそういう出来る限りを自分たちで作品をプロデュースするスタンスのバンドがとても好きです。コンセプトも固められますしね。」

f:id:Apollo96:20171209154024j:plain(これは展覧会のポスター)


ーマサヤ「アートワークにはベーシストのヒューの描いた油彩が使用されています。ヒューは確かSlaves、ボンベイバイシクルクラブ、Alt-Jのメンバーと展覧会をやったりもしてました。」


ーー「ドリーミーでファンタジックでありながらダークでミステリアス、あの絵はまさにGengahrを象徴する空気感を語り尽くしていますよね。そういえば新譜の予約特典が何らかの植物の種で、不思議ちゃん度合が上限値を突破していることを実感しました。新譜楽しみです。」

ーマサヤ「そう、種子!特典の種から何が育つのか楽しみです(笑)。
美しくドラマチックな流れを持つゲンガー独特の音楽、あのぼやけた輪郭の音色の向こう側に潜む彼らの魅力を、是非2ndアルバムWhere Wildness Growsでも満喫したいですね。」

 

〜完

www.youtube.com  最新のシングル曲、ふわふわと踊りたくなる一曲です。



とても楽しかったので新譜が出たらまたマサヤさんをお迎えして記事にしたいと思います。
すっかり寒くなりましたが、みなさんお風邪にお気をつけて。ぼくは最近鼻水が止まりません。それではまた近いうちに。

by Masaya、Merah aka 鈴木レイヤ

I Fall in Love Too Easily(あまりにも簡単に恋に落ちてしまう)

歌うようなトランペットに中性的な甘いヴォーカルのウェストコーストジャズのスター、チェットベイカー。
普段ジャズを聴かないという方でも、名前くらいは知っているのではないだろうか。
今回はチェットベイカーという人物について語っていきたいと思う。

 

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チェットベイカーはジャズ界のジェームス・ディーンとも言われ若き日はとってもハンサムで女性を虜にしてきた。(Live音源でも女性の黄色い声がちらほらと聴こえる)

その上あの中性的な甘いヴォーカルとくれば一部のジャズファンから女子どもが聴くものとして認識されそうであるが、女である私はそれをポジティブな言葉として受け取りたいと思う。
それはきっとチェットという人物が「放っておいたら勝手に野垂れ死んでそうなくらいどうしようもないダメ男だけどいたいけでなんだか放っておけない……!」というような母性本能をガンガン刺激してくるからだ。そして彼のため息の出るような美しい演奏もしっかり楽しめば楽しさが倍である。
そういうわけで女として聴くチェットベイカーもまた格別なのだ。

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彼の代表的なアルバム「Sings」では文句なしの甘くロマンチックなチェットのヴォーカルと透き通るような美しいトランペットにうっとりできる。おそらくチェット入門にはもってこいだ。

リバーサイドから出ている「It Could Happen to You」や「Chet」はかなり売れ線を狙っているのが見え見えだが、その聴きやすさや表面的な美しさをギリギリのラインで芸術に昇華させ、洗練されたアルバムにしている。
この大衆性と芸術性との舵取りが絶妙な塩梅なのも彼のなせる技である。

そして私の最近お気に入りのアルバムは「Chet Baker In Milan」だ。このアルバムを聴けばチェットのトランペットの良さがとにかくわかるだろう。このチェットの演奏は実に伸びやかで、今にも潮風が吹いて水しぶきが飛んできそうなとってもごきげんな演奏である。

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そしてチェットベイカーの魅力は誰しもが”あまりにも簡単に恋に落ちてしまう”ような音だ。
若き日のまっすぐと吹き抜ける爽快な音色や甘く囁くような優しい音色、哀愁漂う晩年の色気を醸し出す音色などチェットのトランペットからは目が離せない。

必要最低限の音で無駄に着飾ろうとしない洗練されたその音はまるでディオールのニュールックのように上品。
そして翳りのあるささやくような唄は彼の天性のジャジーなフィーリングから生み出される。
吹きたくなれば吹き、唄いたくなれば唄う。確かにそこに居るのに、どこかにふと消えてしまいそうで追いかけたくなる。ゴダール映画の「勝手にしやがれ」の風景にもあてはめたくなるような色男、チェットベイカー。
そんな彼の魅力に皆おもわず”あまりにも簡単に恋に落ちてしまう”のだ。 

open.spotify.com

 

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追記:レコードプレーヤーをついに一式揃えました。某雑誌で入手困難といわれたCandyのレコードは私の宝物です。

 

もちこ

Temples 来日公演に向けて!火山の国ニッポン万歳!

11月は待ちに待ったテンプルズの来日公演だ。度重なる来日ラッシュに疲れ始めた皆さんには、この記事を公演に向けた起爆剤にして頂けたらと思う。

テンプルズが今までに出したアルバムは2枚、後は5曲程度のB面曲があるのみなのでさっと概要を掴むのは簡単だ。
ここでは一歩踏み込み、あまりメディアに取り沙汰されなかった2ndアルバムのヴォルケーノと、個人的ライブの見どころについて語ろうと思う。

 

待ちに待った2ndアルバム、Volcanoについて

www.youtube.com フジロックでは演っていないヴォルケーノ収録曲。

昨今の新人バンドに珍しくない2ndアルバムでの失速という現象は当然テンプルズにも心配されていたわけだが、2ndアルバムのヴォルケーノは明らかに我々の期待を超える出来で待ちくたびれたファンを安心させてくれた。
実は1stアルバムであるサンストラクチャーズから3年空いての2ndアルバムである。本人たちとしても2ndアルバムを急いでクォリティを落とすことを避けたかったのだろう。実に懸命な選択だったと思う。
ただ時間をかけすぎた分、世間の注目は離れてしまったし、あっと言われる新鮮さで批評家たちを惚れさせるほの出来とも言い難いものでヴォルケーノはセールスも知名度もデビュー時の飛躍感には劣っている。しかしとにかく良いアルバムなのは確かだ。

 

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前作との違いは概ねアートワークの変化に相似だ。

サンストラクチャーズのアートワークが不思議な建造物(実在する)とレトロスペクティブな青年たちの遠景であったのに対し、ヴォルケーノのアートワークはシュールレアリスティックな象形だ。ヴォルケーノのサウンドは過去のムーブメントの焼き増し以上のもので、奇異で独自性のあるものだ。時間が長く経った分だけ新しい技術アイデアが散りばめられ、過去からのレファレンスも幅広くなった。

キーボード・ギター担当のアダムのシンセのバリエーションが広がったのはもちろん、ライブではベーシストのトーマスがキーボードの前に座る場面も見られた。


このアルバム、敢えて例えるなら天地創造。4人の覡は富士(FUJI?)の頂から人に創造の神話を語ろうとしているのだ。
ケタリング神話の第2章ヴォルケーノには、我々が如何にでも解釈できるくらい鮮やかなシュールレアリズムが鳴り響いている。

やはり拝めるアイドルはテンプルズの他にない。

 

www.youtube.com  2015年にはVolcano/Saviourというタイトルで既にライブで披露されていたOh! The Saviour。今年はまだ演奏されていない。

 

余談だが、実は先程少し富士山と言う言葉を持ち出したのには理由がある。今作のタイトルであるヴォルケーノが指す火山はほぼ確実に富士山なのである。
「何だ火山なんて世界中にいくらでもあるじゃないか。いくら日本が好きだからって富士山とは限らないのでは?」
という声が聴こえて来そうだが理由は以下の通り
本人がインタビューでそう語っているから

ジェームズ

「ヴォルケーノの中で最初に書かれた曲はOh! The Saviour。僕が唯一ホテルの部屋で書いた曲だと思う。あれは日本の富士山にいた時だった。」

インタビュアー

「だから歌詞に火山と出てきて、それが最終的にアルバムタイトルになったと?」

ジェームズ

「その通り」

www.billboard.com

 

大概Fuji Rock期間中の苗場プリンスホテルでの出来事だろうと推測するが、そうであったにしても彼は富士山に居たつもりであり、ひょっとしたら本当にツアー中富士山に立ち寄っていたのかもしれない。
しかしまあとにかく、Oh The Saviorの歌詞と曲の原題に用いられた火山とは富士山からの着想なのだ。そしてアルバムタイトルはその曲から拝借と…
日本に生まれて良かった。

こんな日本人にとって特別なアルバムであるので僕の思い入れも深いです。一度聴いてさらに歌詞を読んだりでもすれば、僕が勝手におとぎ話をでっち上げてしまいアルバム紹介で妄想ばかり語る理由も分かるはず。

 


ここからは月末に控える来日公演に向けて今年のツアーで既に演奏されている曲の中から個人的に熱い曲を紹介したい。

 

Certainty

www.youtube.comヴォルケーノからの先行シングル曲だ。この曲はイントロからもう最高。フィルインからの図太いシンセベースで緊張が走り、メインリフですぐ聴者は最骨頂に達する。
ちなみにフジロックでは最前列のど真ん中にいたのだが、サートゥンティーの熱波をまともに食らってしまった前方エリアは気づけばリフをシンガロングしていた。リフのシンガロングがテンプルズのライブで起こるのだ。本当に楽しかった。一番の盛り上がりどころの様に感じたのでたくさんはしゃぎたい。

 

Ankh

www.youtube.com

Ankhはテンプルズを象徴する曲の一つ、またアンク「☥」とはエジプトの象形文字で生命を象徴する。1st期の曲だがアルバムには未収録、元々はColours To Life のB面曲で日本独自盤であるシェルターソングEPにも収録されている。
もちろん一番の見どころは、間奏のシンセリフだ。ジェームズの歌の後にさっと静かになりベースだけが孤立し、その次の瞬間一気に印象的なリフが来る。ぼくは毎回YouTubeで動画を見る度に、はぁ自分はこの瞬間のために生きてきたんだなと安直に思ってしまう。
(残念ながら今ツアーでの演奏頻度は高くないので運良く見れたらラッキーほどの気概で。)

How would like to go?

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ある意味2ndアルバムのヴォルケーノで最も地味な曲と言えるが、フジロックでぼくの記憶に最も印象を残した曲はこれである。ライブ映像を見てもあまり伝わらなさそうなのでiPhoneで撮ったフジロックでの写真を載せておく。かなり神聖な瞬間だった。ジェームズがギターを置いて歌うシーンは心が奪われる美しさだ。

 

Mesmerise

www.youtube.com

スタジオアルバムの音源と全く違うことになるのがこの曲。アウトロが延長されなんとも最高だ。どこかのインタビューで「本当はアルバムでもああやりたかったけど流石に生意気だと思って思いとどまった」みたいなことを言っていた記憶がある。シューゲイズバンドでホロコーストパートと呼ばれる轟音パートに似ているとも言えるが、この曲のアウトロはより多面的なサイケでとても瞑想的だ。
僕は今年のフジロックこれを楽しみにして行ったと言っても良いくらいこのアウトロを愛している。
ちなみに「メズマライズは終わらない」とジョジョの奇妙な冒険 第4部のサブタイトルにもなっている。嘘だ。

 

以上
この辺りがライブでの見どころかと。

 

それでは皆さん楽しんで来てください。
by Merah aka 鈴木レイヤ