Apollo96

地球の月から文化共有。音楽、映画、文学、旅、幅広い分野を紹介します。時々創作活動も。

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2018年のよく響いた音楽、まとめ by merah(鈴木レイヤ)

前の記事

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この記事では今年のよかった新譜、曲をざっくりジャンル?、聴く層ごとにコメントなどつけつつ紹介していきます。

曲ごとにごんごん羅列してゆきます、ジャンルは僕がはっきり自信をもって話せるものと、ジャンルどうすればよいかわからないがとにかく勧めたいもの、とかなりジャンルのわけ具合に問題があるかもしれませんが、ホントにジャンル分類のあれこれに疎く、今回は堪忍な~

 

open.spotify.com

 

シューゲイズ好き必聴アルバム

文句なしに今年一番凄かった。

 

レジスタンス、感情の叫びである。破壊的と一言に済ませるのは何か足りない気がしてしまう。超常現象のようなノイズです(ダサ)

 

ポストパンク要素あり、お気に入りなので多少ひいき目かもですが、シューゲイズにしては相当シュッとしててカッコいいですね。主観ありきで話すなら一番お気に入り。シューゲイズ好き以外には、対して価値がない気もして、ランキングから蹴り出してしまいました。ごめんなさい。本当に好きなんですけど。

 

異端、相当カッコいい。デフヘブン、DIIVからお墨付き。

 

凡庸と紙一重な、一番難しいところで天才として成立しているからすごい。

 

スリーベースヒット。メガ・ロマンチック・ブラックゲイズ。

 

21世紀シューゲイズの黒幕、現代のジョイディヴィジョン、現代のソニックユース兼任。APTBSの一番いいアルバムはまた軽々と塗り替えられました。

 

かなり良い曲揃い、一聴の価値あり、アルバム通しては聴くと飽きます、そういうバンドではないので仕方がない気がします。何度も再生してしまう。

 

ロシア、シューゲイズ、相変わらず素晴らしい。Pinkshinyultrablastを知っているシューゲイズ好きにとって真新しいものはないかもしれないが、Pinkshinyultrablast大好き人間には美味しすぎるアルバムですし、着実に進化してるのがありありとわかる。来日公演もよかった~

 

日本のシューゲイザー、かなりしっかりと本当にシューゲイザー。

 

急激に成長し続けている。ポストパンク、ガレージロック、多少ゴスい。またソニックマニアで観られる日も、遠くないのではないか。 

 

エレクトロニカ

ジャズなど、民族音楽など、ルークアボット主催のプロジェクト。

 

2018年宇宙の旅。

 

イキイキとおどってしまう。

 

言わずもがな

 

来日公演いきたかった。安定の良。

 

ちょけてるのとまっすぐかっこいいの半々。

 

これ誰すか?めっちゃええやん。ビビる。調べます。凄い、びっくり良い。

Huerco S. って人の変名らしい。NYのプロデューサーだそうです。良い。

 

おサイケデリア

 

天才。7という数字を再定義した一曲。

 

多分ふざけてる。

 

尖ってる、カッコいい。これからロックが進んで行く道というのはいくつかあるが、僕がついていく方角は彼らの眼差しの照らす方角でもある。

 

ドサイケ、ストーンナー。ブリブリのサイケが好きかもと言う方は踏み込んでみると面白い世界があるかもしれない。

 

ライド的ネオサイケデリア。

 

ドイツのバンド。カッコいい。ちょっとプログレ、ポストロック感もあり。このアルバムを機に来年以降追っかけて行こうと思う。

 

日本のクラウト新鋭、南ドイツ、カッコええ。サイケシーンを盛り立てていくであらうバンド。

 

フォーク、ポップス、シンガーソングライター系(なんていうかわからん)

ただただ曲の良さで気に入るもの、歌詞が良いものなどごちゃっと羅列。マジでジャンル分けが難しく分からずあきらめたものたちです。

 

みんなが聴いてほしい、そしてみんなで幸せになろう。

 

勇気がめっちゃすごい。どこへともなく踏み出してしまう。元スーパーグラスのギャズクームス、スーパーグラス時代より今の方が作曲者として素晴らしいのではないか。

 

ステルス名盤でした。ナードな見た目なのにアーティストからもメディアからも気に入られ、幅広くファンを持つジャズグループってだけじゃなく、キーボーディストはインディロック的才能にも恵まれておりますのは流石に怖いもの何もないのでは。

 

まだそこまで聴き込めておりませぬが、これはかなり好き。これはちょうど一か月前に、フォーテットの公開しているプレイリストから見つけてきたのですが。あのプレイリストには、どうやら良いと思ったものをとりあえず突っ込み続けているようです。かなり選曲の趣味が合います。

僕には、フォーテットのプレイリストが新譜漁りに最も効率的な場所かもしれません。ちなみにこれです↓

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ジャケも可愛いよね。

 

元マイクロフォンズ、フィルエルヴラムのソロプロジェクト、Mount Eerieのアルバム、相変わらず音楽の水準は高い。

また、この作品のコンセプトには、彼の奥さんの死の事実がある。しかも、その感情は、つらいつらいと泣いているようなものではなく、幸せな過去を思い出す暖かい悲しみである。The Microphones の Glow Pt.2 は後ろ向きな人間に寄り添い共感するような音楽だったが、この作品はそのような人に細やかな希望を教えてくれる。彼の姿をみて、勇気づけられる聴者僕自身を見て、亡くなった奥さんが如何に素敵な人だったかが想像できる。

 

かなり明るく、快活になったけど、尚近くにいる。心強くなった気がする。

 

北欧のどこかの女性、フォーテットがリミックスしてて知った。良い。あと、憧れちゃいがちな青春映画系の世界観も良い。

 

何年も待たせた挙句、この出来ですか?と初めはあまり刺さらなかったが、何度か聴くうちにすごく凄いアルバムだということに気づいた。やは、好きすぎるバンドに違いなかった。ありがとうございました。

 

ビーチハウス未だ全然ハマれず、この機会にと思い幾度目かの挑戦だった。初めて少し好きになれた。この曲が好き。嬉しい。これからも挑戦は続く。

 

良い、ライ。またライブ観たい。

 

ロックとして今年の名盤を見た時、

インディーロック/オルタナティブロック(死語)など、とにかく全体として見た場合の必聴アルバム、どうやら僕にとってアツい場所が他とズレている可能性について今年はよく考えました。アンテナの張っている向きがみんなとずれていただけだと思います。受信の強さはかなり感じた一年でした。

 

今年、絶対見逃しちゃいかん一枚なのに、完全にステルス名盤と化している、誰にも気づかれていない。意味わからん。頭おかしい。絶対聴いてくれ。マジで今年のインディロックシーンで一番刺さったアルバム。

 

これまたインディロックの新しい顔ですね。裏USインディという言葉の生まれつつある気配、またこのバンドが勢力を広げていくのではないかとの期待もあり。

 

今年で会った良いバンド、

 

最初、正直全くピンとこなかったんですけど、多分その時デカい耳クソでも詰まってたんだと思う。何度も聴くうちに良さが染み出して、厚い空気をノコギリのように削るギターがくせになった。シューゲイズ要素あり。ヘッドホンで聴くとモグワイなみに気持ち良い。

 

日本のシガーロス枠というと、安っぽいが、静かで凶暴で、アポカリプスが匂う、危ない音。

 

The National のSleep Well Beast、Muse のDrones が中途半端にやり切れなかったことを完成させた。

 

ジャズ、フュージョン(厳密には違うらしい)、デヴィッドボウイの最後のアルバムのバンドに居た人の作ったアルバムなので、あのアルバムに漂うどこかピリついた空気感なんかを共通に持っております。ミヨシ君から長い文あり↓

★を継ぐもの - Apollo96

 

2018年の顔。

 

ちょっと良。

 

ストロークス感かなり強め、全体的に楽しめ、ライブも最高だった

 

コンテンポラリぃ。ニューヨーク出身若手。シーンの今後にワクワクする。関連バンドとかだとOughtとかが出てくる。APTBSの前座を多分していた。

 

DIIV、Day Wave 参加、LAの新人。

 

聴いといた方がいいです。

 

ポストロック好きに聴いて欲しい

映画を観るまで手を付けない習慣が最高な映画体験を導いたと言っても過言ではありませんでした。今年観た映画で最も素晴らしかったものはCall Me By Your Name、その次がKINでした。どちらのサウンドトラックも素晴らしかったのですが、KINにおいてはサントラが完全な書下ろしであり、そのお陰で映画のストーリーの新しい冒険の感触は強調されました。KINはただのSF映画ではなく青春群像劇である、サントラがなくとも素晴らしい作品だったでしょう。しかしモグワイのサントラが加わることで、そのストーリーは語られない物語、見えない世界設定への想像をも補完されたように思われました。

 

全然聴き込めてない。ピンときたのでメモしていた、忘れないようにここに書いておいてメモは消します。

 

そもそもこのバンドとの出会いがポストロック談義の延長にありました。タイで、デスクトップエラーというシューゲイズ/ポストロックバンドがございますが、そのメンバーの一人と会話した際に知ったバンドでした。「日本にはいいポストロック系のバンドがたくさんいるじゃないか、素晴らしい。Toe や、MONO、Boris、Envy、あとはコーネリアスも素晴らしい。そうだ、最近だとRoth Bart Baronも素敵だ」僕はタイ人のロックミュージシャンに日本のバンドであるコーネリアスとRoth Bart Baronを紹介され初めて知ったのか、と感慨深かった思い出があります。Roth Bart Baron を何故彼が知っていたのかは分かりません。ポストロックという観点から聴き始めた場合、コーネリアスにはあまりハマれず、Roth Bart Baronには衝撃を受けました。前よりはポストロックらしさが薄いかもしれないですが、そう思って聞けば、おぉお!!となるはず。

 

この曲に特にハマりでした。

 

好きなバンド、このアルバムはまあまあ好きけど前作の方がまだ好きかも

 

 

誰?ってなるかもしれないですけど、マジでググってもインスタグラムしか出てこないです。めっちゃ良いけど、無名の兄さんが黙ってやってるだけで、ツアーとかもなさそう。かなりいいけど。

 

 

 

じわりじわりとドラマチックに広がっていく、大作。

 

羊文学 Fear Satan

ポストロックは良いアルバムがたくさん出てるなぁと思いつつも、普段の日常にあまりポストロックを聴きたくなる瞬間がなく、幾度となく再生されたのはモグワイのKIN(それもサントラとして)のみでした。気分とは大事ですな、やはり。紹介はしたものの、正直熱く語るほどに聴き込めていないとも言えます。

 

 

 

 

 

 

 

以上です。長々と読んで下さってありがとうございました。

 

今年は、蓋を開けてみれば、周囲が年間ベストアルバムと列挙しているものがほとんどわからないという状況になっていたという年でした。マジで一度も聴いてないってのかなりあった気がします。

理由はいくつか考えられます。

まずロック流行ってないという事実です。

二つ目はTwitterを変に使っていたことか。やはり、音楽というものに勝ち負けというものはないはずで、優劣に関してもほとんど考えたくはない。個人的には、好きか嫌いか、合うか合わないか、くらいの指標で聴いていたいという思想があり、とにかくバカになって聴きたいと思っていた年でした。

そう考えてると年末の各誌のランキング競争、ジャンルごしに優劣を示したがる傾向に意味があるとは思えないし、挙句に知識量チャンバラ界隈なども現れ始め、度々一歩引いてしまう。人それぞれなので文句をいう訳ではないが、自分とは合わないななんて、そういうことを良く感じる一年で、聴く者同士で競う状況は、なんとなく滑稽であるようにも思えて。

それで周囲と何となく距離を感じがちになっていたのでしょう。ずれが生じた最大の原因です。

意識的に、Twitterなどから音楽の情報を得ることができない環境を作っていたと言えます、そうなればこう、知らないうちに周りからどんどんズレて行ってしまうのは当たり前でした。気づいたら感性までずれていたかもしれないと思います。

どうやって聴いてたかって言うと、好きなバンドが属してるシーンをやんわり追ってみたり、KEXPとかKCRWの外国のラジオや雑誌で好きなアーティストの今年ハマっていると言ってたものを調べて流してみたり、スポティファイがくれるおすすめプレイリストにすすめられるまま聴いたり、口伝えに友人に勧められたものを聴いたりって感じでした。

まあ、しかし、年間ベスト、ランキング発表の流行りに乗らないことには、自分がせっかくハマったもの、推したものがスル―され、来日ノーチャンバンド認定されてしまうだけですし、最終的にはこの時期気になる人のランキングを参考にするだけして終わりなのは食い逃げのようでよろしくない気もする。

慌てて客観批評比較モードになってランキングを制作しました。寝込んでいる時期にたっぷり時間を取って作りました。やって見れば、やはりそうするのも楽しいことではあります。共感したいものを聴いていただけるなら何でも良いですし、ランキングを嫌がらないのはそういうことです。八方美人の亜種みたいな立ち振る舞いです。

このブログのもう一人は、かたくなにランキングをつけませんが、その潔さに憧れたりもしながらこの記事が完成されましたので、このようにランキングに対する意見も自分なりに述べたわけでした。

 

 

まあ、それでは、よいお年をね。

来年も頑張りましょう。

 

 

 

by ㍻最後のmerah aka 鈴木レイヤ

2018年、過小評価されていた、見逃されていた名盤ベスト16

絶対に聴いてもらいたい音楽を厳選して選びました。

 

去年も同じような記事を作ったが、その反響が予想以上だったのもあり、今年はそれなりに気合いを入れて書いた。(長い)

 

まず初めに、紹介する順に曲が並んでいるプレイリストのリンクを貼っておきます。

これを再生しながら、スキップしたりして良い感じに聴きながら読んでもらえると幸いです。 

最高だった16枚、読者の要望に沿いランク付けした。レビュー付きです。年を越して落ち着いて皆のまとめたものを確認して行くうちに、このランキングがそのまま2018年の過小評価されたアルバムのランキングにもなっていることに気付いた。そのため、タイトルも変更させてもらった。

ベスト16以下は、もう一つの記事にジャンルごとに分けて短いコメント付きでまとめているのでもっと気になる人はじっくり読んでもらえたらと思う。40枚のまとめ画像は気にせずたくさん良かったものを並べてみた、読みづらくなかったら良いですけど。

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それでは16位から初めて行きます 

よいしょ、

 

 

 

16〜9位

今年は新譜を意識して聞こうとしていなかったが結局聴いたもの全てを数えてみるとそれなりの数になった、その中でのベスト十六である。結果的に去年より多くの良い作品に出会えていて、この16枚はマジで全部死ぬほどよかったです。。

 

16位 LOVE / ADOY

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このバンドは2018年だなぁって感じがすごくある。韓国のインディーロックだ。カッコいいし、可愛いし、力の抜け具合も完璧、その上オシャレと来ている。最近の日本のインディロックの傾向に近いものもあるので、流行りそうだ。そのうち来日もあるかもしれない。良いインディーロックだ。流行らなかったらごめんなさい、でも流行ると思います。これはだって良いんですから。

 

 

15位 Song For Alpha / Daniel Avery

www.youtube.com

エレクトロニカ、テクノ、アンビエント、その辺りにまたがってDjによりプレイされる音楽は夜にフェスやクラブで聴くだけものでもないのかなと、このダニエルエイブリーのセカンドアルバムを聴いて思った。

というのも、今まで聴いていたものはアルバムというストーリー前提でライブを楽しむもの、あるいは逆に生で聴いて踊る楽しみはどうしても再現できないがイメージで補完しながら録音を楽しむもの、そのどちらかだった。要するにアルバムがアルバムとして成立しているものか、どうしようもなくライブありきの録音か。

で、本作品『Song For Alpha』はどちらなのかというと、明らかに前者ではない。

しかし後者でもない、実際にセットを見たことがあるわけではないが確かに後者のものでもない。

何かというと録音されているものなに、すぐそこで今プレイされている音楽を聴いているような作品だ。生き物のようにテクノが、アンビエントに絡まりあって、手に取れる距離で鼓動蠕動しているような、ライブ感のあるアルバムとは待ったく違うが生きているアルバム。音の中に歩いて行っている感じで。もう上手く言えないけど良い。

DJセットならどのような感覚がするのだろうか、永遠に聴いていたいことはまず間違いないだろうし、より催眠的なにかが期待される。彼のロングセットの評判を聴く限り、絶対ヤバイ。

 

14位 >>> / Beak>

www.youtube.com

ネジが全部外れているので聴いていてふらつく。このアイロニックなサイケポップはポーティスヘッドのJeff Barrowが率いるBeak>のアルバムだ。

ファーストアルバム『Beak>』は完全なクラウトロックだった。前作『>>(Beak2)』は何かと聞かれれば電子音楽だと説明できた。前作でBeak>を好きになった自分は、今回『>>>』の路線に度肝を抜かれることになった。今までやっていたよく分からないアングラな何かぐにゃぐにゃした奴を、まずインディロックの体裁を取った上で表現してきたのだ。かつてのようなテクノ的な要素が前面に出ている曲も確かに存在しているが、それもあるせいでどこにBeak>の本体があるのかが完全に分からなくなってしまった。

どうなっているんだ?としか言えないが、いいアルバムだ。いいアルバムだが、いつ聴けばいいかは分からない。ポップ風でインディロック風だが、それは形だけで、聴き心地は全くそれではないからだ。本当に気持ちが悪い前衛音頭。気持ち悪いが傑作だ。

ちなみに上にリンクを貼っている曲は、ちゃんとそれなりに聴きやすい。こういうちゃんとマトモにいい曲にだけMVを作るのってズルいと思う。エロDVDのパッケージ詐欺と一緒。

 

 

13位 Singularity / Jon Hopkins

www.youtube.com

これはコンセプトアルバム、2018年宇宙の旅かもしれない。

シンギュラリティとは特異性を意味する言葉だ。

エメラルドスプラッシュはジョジョの奇妙な冒険 第3部に登場する花京院典明のスタンド、ハイエロファントグリーンの必殺技だ。

とにかく、曲名をみるだけでも脳内に物語が広がるだろう。無機質な世界に広がる鼓動がやがて繋がり、宇宙に最初の生命が生まれ、やがて光る生命体が登場する。この物語は聴いてみるともっとハッキリと、とても美しく繋がる。映画の様である。

ブライアンイーノやコールドプレイの様な、現代の音楽シーンにおいて特別コンセプチュアルな人間たちと関わり続けている彼だからこそ作ることのできた作品なのかもしれない。ここまで具体的なイメージの湧くエレクトロニカはなかなかない。

このアルバムに関しては別に過小評価されていた訳ではない。

 

 

12位  Felt / Suuns

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インディロックにしては尖りすぎたカナダはモントリオール出身のバンド、Suuns。アートパンク、クラウトロック、ネオサイケデリア、彼らを形容するジャンルは余りにも幅広い。そしてそのアイデンディティがこれまで方々に散らかっていたのも確かだ。

今作でしっかりと、分かりやすいSuunsの姿が明示されたと言えるだろう。シンセサイザーの音がバンドのドロドロとした脆い世界をまとめ上げている。一番マシな入門編にして、文句なしの最高傑作だ。

個人的にはポストレディオヘッドと言ってレディオヘッドファンが嫌な顔をしない唯一のバンドであり得るかもしれないと、強く感じている。そして、この壮大さを目の当たりにしたのは今作が初めてだった。気づいた日にはついハッとしてしまって。

何を隠そう僕は圧倒的に最も好きなバンドはレディオヘッドである。

ちなみにだが、レディオヘッド信徒であると同時に、僕はかなりイタめのThe 1975のファンボーイでもある。こんな自分でもレディオヘッド信教の自我が勝ってしまい今年のThe 1975 の新譜の感想を読んだら「レディオヘッドの真似をやってんのは分かるし共感するけど、現代のレディオヘッドだとか、21世紀のOKコンピュータと称されるにはさすがに遠く及ばないんじゃないかな。あるいは21世紀のOKコンピュータがあったとしても、それが20世紀のOKコンピュータに比較されうるものになるはずはないよね。好きだけど」と思ってしまう。(この記事ににThe 1975の新譜が入っていないのはこれとは関係なく、一か月弱ではアルバムが自分にとって実際どの程度を意味するのかを測り切ることができないからである。その為にわざわざ一つ単独で記事を書いた)

まあ、とにかくそれだけレディオヘッド云々の話には斜に構えて向かってしまう自分でもこのバンドにはそれを感じずにいられないのです。「Suuns本人たちにとってレディオヘッドは眼中にないだろう、自分たちの世界がもっと壮大に彼らの前に広がっているのだから、レディオヘッドを引き合いに出して語ろうとする自分がすごく安っぽく思えてしまうな」なんて思ってしまうその感覚が新鮮に思えるし、だからこそ僕は比べてしまったのだろう。あと間違えないでほしいのだが、あくまでポストレディオヘッド、必ずしもレディオヘッドに似たものがあるという意味ではない。

また今年はアルバムリリースのみならず、中国、東南アジアを中心に回ったアジアツアー(初めてではない)での盛況が驚きだった。彼らがインディロックバンドとして確固たる地位を築きつつあることがはっきりと感じられる。このバンドもこれからますます大きくなっていのかもしれない。

今年、実は初の来日も果たしたのだが、公演数、動員、共にイマイチな寂しい状況だった様(金欠で見逃した僕自身も偉そうには言えない、かなり後悔を感じている。もしタイにいる時期にツアーがあったら値段的にも絶対行っていた、誓っていい)

こんな動員の感じも最近のインディロックバンドの傾向にしっかり則っていて少しヒヤッとした。このままでは、雑誌で話題になるバンドと金持ちのバンドだけが来日し、必ずしも流行のど真ん中ではないバンドは完全に日本以外のアジアでだけライブをするようになってしまうんじゃないだろうか。半現実化しているだけに怖すぎる。

 

 

11位 I Am Not __ __ / Xinlisupreme

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当初このアルバムを取り上げるのは控えようと思っていた。アルバムタイトルを見ればわかるよう、Godspeed You! Black Empelor 並み(以上)に思想強めの人が作ったアルバムだからである。不自然な事に、ピッチフォークのベストシューゲイズアルバム50選にも名を連ねているような人の作品なのにメディアでの紹介はほぼ皆無だった。そうなると、こちらも多少は怖気付く。ただボイコットされているのではなく、悪の組織に情報操作されているのではないのかと怖気づいた。

悩んだが、どうしても、これだけ素晴らしいアルバムを紹介しないわけにはいかない。胸を張って素晴らしいと言わなければ。

このアルバムに含まれる政治的な考えに関しては、ここが共同ブログでもあることもあって、責任も取れないしノーコメントとさせてもらいたい。ただ、音楽に政治的なメッセージが込められる事を僕は全く悪いことと思わない。

この作品がどうかという話ではなく、仮に政治思想の強い作品があって、その作品に込められた思いが自分のものと合わないかったとしても、自分は少なくとも好きであることをやめたりはしない、出来ればそこだけを無視して触れるかもしれないし、対抗心を燃やすかもしれないし、また自らの意思が揺るがされるということになるかもしれない。逆にもし、そのメッセージに共感できれば、より強く気にいるだろうと思う。どちらにせよ、悪い影響は今のところ僕にはない。

音楽の話をしよう。これはシューゲイザーとも言えるが、まあノイズの満ちたポップスだ。

表題曲の『Seaside Voice Guitar』 は間違いなく歴史に残るような曲で、シューゲイズの一つの到達点であるかもしれない。また、『I am not 誰か』、『Act 2』などを聴けばXinlisupremeの描く感情が、世に群れている無差別的な悪意とはかけ離れた、切望であることもわかる。

また、悶えるような強い怒りの叫びだけでな、過ぎ去った時間、青春や幼い記憶の集積に手を伸ばすような叫びも聞こえないでしょうか。

とにかく美しすぎる。いくら音楽に政治思想を持ち込まないで欲しいとあなたが言っても、ここまで素晴らしい音楽を聴かされたら許せてしまうのではないだろうか。

Xinlisupremeがアレコレ言いながらでも人を唸らせる存在になって欲しいと僕は思う。

ちなみに、このアルバムは確かに今年リリースされたものではあるが、厳密には収録曲のほぼ全てが既出である。色んな理由で廃盤になった『4 Bombs』と『始発列車』という二枚のEPに収録されていた楽曲を収録している。

収録されている楽曲はほぼ同じであるが、出来上がりが多少異なっていたり、曲順が違うせいで聴いた時に受ける印象が違っていたりする。EPにはEPの良さがあるし、今作のバージョンにも違った良さがある。

ただ、完全な新作であるとは言いづらいという点でこの位置で紹介させてもらう事にした。

もちろんこれは順位づけには作用していない要素ではあるが、一度どうしようもなく廃盤になってしまった音源を自分の力でもう一度世に送り出した、その姿勢や態度に感じるものも多い。芸術はもう誰にも邪魔されない次元に到達しようとしているのかもしれない。次のアルバムが出たら多分、一位としてもっと大袈裟に騒ぐと思う。

 

 

10位 若者たちへ / 羊文学

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去年のランキングでベスト8になっていたメンツはちなみに、Wolf Alice、Slowdive辺りだった。『若者たちへ』というアルバムが一般的にシューゲイズに分類されること、またボーカルが女性であることなどから、それらと並べて語られるべきシューゲイズの名盤かもしれない、あるいはそれら以上か。

羊文学は、上述の二つと比べた時、どちらかと言えばWolf Aice と似た様な立場にあるバンドかもしれない。それはもうハッキリ、彼女らの音楽を聴いて、シューゲイザーだな、と言うだけでは足りない新時代のバンドだということでもある。

10年代のロックバンド、羊文学。

時代の終わる間際にようやく形をつかむことができた、これは10年代のインディロックの一つの形である。10年代というのは伝説だったシューゲイズバンドが多数再結成し新しいアルバムを出した時代でもあったし、やはりシューゲイズファンにとっては嬉しい時代だっただろう。下火になっているとは言え、ロックにも新しい時代がある。

イギリスで生まれたロックミュージックは日本でも熱心に模倣・再構築されてきた。日本においてそれは常に進化し続けてきた。しかし、僕がこれまで海外志向系の日本のインディロックバンドに常に惹かれ続けていたとは言い難い。

ジャンルを比較的最初に取り入れ再構築した先駆者たちに素晴らしいものを見ることは少なくないが、特に最近の、中堅弱の辺りにいる方々、メジャーではなければアングラでもない類のバンドとなると、どこかしらの簡易版に感じられたり、一曲通して聴けないほどハマらないことも少なくなく、堪能できるまで聴くことはまずなかった。結局、元ネタと微妙な距離を取っただけの場所でぐるぐる回っているようにしか見えなかったのだ。

しかし、羊文学という特異点で、その文脈の最先端の音楽はもはや、何かの日本的解釈でも、先輩バンドの模倣でもなくなる。そう強く感じられた。今まで反りの合わなかったシーンから好みのものに出会えた喜びで今も跳ね踊りだしてしまいそうだ。

二番煎じだと感じないようになるにはまず聴きこまないといけない、こんな飽きやすい僕でも聴き込めたってことも羊文学の凄さの一つか。

また、『若者たちへ』に散りばめられた既存のジャンルへの愛は、イギリスや日本のシューゲイズ、00年代の日本のポップ・ミュージック、アメリカのインディロックのみにとどまらない。

例えば、僕の一番好きな曲は一曲目のエンディングで。フッと浮き上がりそうになる切実なボーカルに押し倒されてぼんやりとしてしまうこの曲。聴いてすぐの頃にはピンと来なかったけど、これはもうほとんどモグワイのオマージュと言っていいくらいにやってくれている曲で。当然あの轟音パートだけではなく、全てあの方向性に気持ちいい。

このバンド、意図しているのかどうか、めちゃくちゃにポストロック的であり、それでいて凄くポップで楽しいのだ。両方の良さが満点で共存しているバンドを僕はあまり知らない。

これこそは今年の僕にとって聴きたい気分になることの多かったアルバムだった。アルバムのタイトルは何だ、『若者たちへ』というのも『Mogwai Young Team』を意識しているのではないかと勘ぐってしまう。

Young Team のエンディングってことは実質、一曲目、『羊文学 Fear Satan』なのでは? は? 曲解、もういいです。

とにかく素敵なアルバムです。

 

 

9位 New Hymn To Freedom / Szun Waves

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この飛んでいってしまいそうになるアンビエントなモダンジャズは、ルークアボット率いるプロジェクトSzun Waves から。

二枚目のアルバムだそう。トリップです、宇宙です、去年アニマルスピリッツにも同じようなことを言ったような気がしないでもないけれど、宇宙的です。不気味な円がゆっくり広がったり、波紋になったり、別れたりする様な、感じで、トリップ出来ます。

ルークアボット自体は、ジェームズホールデンのレーベルに所属するそれなりに名の知れた良いDJ、電子音楽家なのだけれど、このプロジェクトでは生の楽器が前面にフューチャーされている。ドローンやテクノ、アンビエントだけでなく、ジャズ、ミニマルミュージック、ポストロック、サイケ、などの影響の中にある作品だと言える。

実はルークアボットのプロジェクトだと初めは知らず、ていうか、このレビューを書こうとする時まで知らず、変なミュージシャンがいるんだなぁ、とだけ思っていた。ツイッターでちゃんと情報を追っていないと知らぬことばかりになっている。

そりゃルークアボットが大好きな人間なのだからハマるのは当たり前でした。や、でも僕が一人ですごいすごいと言ってるわけでもないのです。

確か、BBCでトムヨークが流したミックステープにもこのアルバムから一曲入っていたはず。記憶が正しければ、Lowとか坂本龍一と並んでいた気がする。

 

 

8〜5位

8位 Virtue / The Voidz

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前作より取っ付きやすい。変とカッコいいの共存という分野における、現時点でのピークをジュリアンカサブランカスはまた更新してしまった。良すぎた、カッコよすぎたな、完全にお手上げだった、ハレルーヤ。

まあ、これは何も説明しないでも良いくらい有名でしょうが。一応長い文章もあります↓

結局、本人たちですらThe Strokes を越えられない件 - Apollo96

あと、今年はストロークスの消滅をかなり危惧しておりましたが、来年ライブあるようで超安心しました。

 

 

7位  Death Lust / Chastity

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Chastity はDIIV、 Wild Nothingsが在籍し、Beach Fossilsやマックデマルコがかつて在籍したレーベル、キャプチャードトラックスの新人だ。

逃げ水で視界のぼやける夏の、孤独な昼下がりに聴くべきだという印象があった音楽だが、今冬になっても情熱的に響く。これを聴いてカラダを動かせば、叫びだしたくなる気持ちも少し良くなる。

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これまた新しいパンクなのかもしれないし、グランジの成長かもしれないし、裏シューゲイズなのかもしれないし、ハードコアのなんかかもしれないし、ただインディロックと言っておくだけが無難かもしれない。

聴く人によってどのジャンルに属すると感じるか、様々だろうし、どこかの枠に入れようとしてもそれはしっくりこないだろう。このオンタリオ出身のキレッキレの青年、ブランドンウィリアムズのプロジェクト、Chastityは絶妙に孤立した感情をもたらす音楽だからである。

オンタリオ州ウィットビーに生まれた労働者階級の彼の青年時代を背景に、激しく展開される世界。とにかくカッコいい彼の音楽、数年ぶりにファーストアルバムを聴いた瞬間に「一生ついていきます」という決意が起こった。Chastityの血潮に酔いしれない選択肢はない。最強。ベスト新人賞です。

 

 

6位 The Whole Thing Is Just There / Young Jesus 

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今年のインディロック系のアルバムで一番良かった。Young Jesus はシカゴで結成され、LAで再結成されたらしいバンドで、今作は再結成後二枚目のアルバムらしい。せっかくなので色々調べてみたが、とりあえずはアートロックというジャンルになるらしい。音楽って全部アートなんじゃないんスカ?って人なのでアートロックというジャンルが、どういうものなのかいまだにつかめていないのね。誰か教えてください。

サイケ、プログ、ポストロック、シューゲイズにジャンル幅広くスカしてまたがってるので誰もが好きかと思われる。即興中心に曲を作ってくバンドらしく、それは聴いてすぐに想像のつくことでもある。絶対ライブ楽しいだろうなと、聴くたびに唸る。遠くない未来ロサンゼルスに全部集まるのではないかこの世の素晴らしい音楽。

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ライブ映像があったのだけれど、やっぱりこれは見たすぎる。絶対にみたい。ロサンゼルス、いかせて。

僕の場合は去年に出たアルバムで知って、今年のアルバムがめちゃくちゃに良いので正式にハマったという感じなのだけれど、自分も聴いたことなければ、周りに聴いている人もいないし、どんなバンドなんだよと調べてみた。ら、ピッチフォークで8点以上取ってたのでびっくり。ピッチフォークやるやん。たまには見る目あるやんけ。てか、なんで名前見なかったんだ。

まあ、これは良いですよ本当に。聴かずに年越すのは罪。

 

 

5位 Path / Kraus

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伝統的シューゲイズの現代的解釈、ウィルクラウスのPathは今年リリースされたシューゲイズで最も素晴らしい作品であり、アンビエントな電子音楽としても素晴らしい作品と言える。仮にあなたがシューゲイザーでなくても聴く価値はあります。

上の動画は知らない人が聴きながら踊っている動画で、音質は悪いけどなんかエモぉい感じがあるのでMVの代わりに貼っつけました。

長い文もあります↓

ついに姿を見せた現代シューゲイザーの頂上、KRAUS - Apollo96

 

 

 

4〜1位

4位 Déjàvu / Matty

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ヒップホップ界隈を中心に注目を浴びている若手ジャズバンドBADBADNOTGOODのキーボーディストMattyのソロ作、流石としか言いようのない出来上がりで、良い以外の言葉が出てこない。ただわかるのは、これ絶対飽きないぞ!ということで、来年からも時々聴きたくなるんだろうなと初めて瞬間にわかった。

エレクトロニカとビーチフォッシルズの融合とも取れる。ジャズからの影響はもちろん、最後の一曲に関してはクラウトロックで、何度も言うがアルバムを通して、飽きない。

劇的な音楽かと聴かれれば頷きにくいが、ずっとこれからも聴いていくくらい良いということは劇的な感動と同等に価値がある。

 

 

3位 World's Strongest Man / Gaz Coombes

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元スーパーグラスのフロントマンギャズのソロアルバムはスーパーグラスと同じようにいつも聴くものを慰め、勇気付けてくれる。いや、むしろ人を元気にさせる効果に関してはスーパーグラスの音楽に比べても秀でているかもしれない。

前作マタドールがグッと拳を握ってガッツポーズでこちらに頷きながら勇気づけてくるよう音楽であったのに対し、今度のギャズはしっかり握手をするように勇気付けてくれて、強くなれたような気持になる。

どんどんレディオヘッドぽくなってくね、と言う人も多い、僕も思う。同郷オックスフォードの後輩でもあるギャズがレディオヘッドに強く影響を受けるのは当然のことだろう。

ただ、今回ただ真似してるだけではない。あら!なんと今作では、7曲目のOxygen Mask にレディオヘッドのコリングリーンウッド本人が参加しておりまして、ベースを弾いている。

ちなみに、同郷オックスフォード関係でいくと、前作マタドールでは多くの曲にドラムで参加していたライドのロズコルバートもライドでの活動が忙しかったせいか、今作でドラムを叩いていない。ただ、一曲目のWorld's Strongest Man でロズのコーラスは聴ける。ライドのオタク以外は正直聴いてもわからんでしょうけど。

しかし、こうゲストが豪華だと、アルバム自体まあ霞んで聞こえることも多い。それがギャズのソロともなれば全くそんなことがないのだからすごい。ギャズクームスの作曲の才能は、これからもたくさんの人の生命を維持していくのでしょう。

 

 

2位 Masana Temples / 幾何学模様

www.youtube.com この曲は1stの収録曲のライブ動画

日本の宝、幾何学模様様の最新アルバムである。最後の様は偉い人につける様で、最後から二つ目の様はバンド名の一部だ。Kikagaku Moyo、外国っぽい発音だと「キィカガク?モォヨ」になる。

このアルバムに収録されているほとんどの曲が、今年この宇宙で発表されたもので最も素晴らしい曲である。このサイケデリックボーイズfrom Tokyo, Japan はメキメキ凄くなっていって、今作でついに、マトモめの人が聴いても喜べるような曲揃いにして、目玉が高速回転し始めてしまうくらいぶりぶりで、実際に叫んじゃう、最高のアルバムを作ってしまった。

発売日から今日まで、ずっと白目を向いたままです。(聴いているときは高速回転します)

言葉にできない。逃げます。

KEXPのライブ映像に寄せられたコメントが面白かったで引用:

 日本人のヒッピーがパジャマを着て、シタールを下げて、アメリカにやって来た。そしてドラマーにトークをさせている。こいつらは青年男女に退廃をもたらす。

 この動画を見た後、髪が40センチ伸びた。

 キングギザードとジャムって欲しい。

 ーEarthlessとはジャムってたけど見てない? 

 今晩は絶対寿司を食べにいく。

 サムライがパジャマでサイケを演る、だから俺は日本が好きだ。

 (ドイツ語の曲名を見て)Canも誇りに思うはず。

 こいつら人間か? いや、日本人か。

 ダモ鈴木チルドレンだ....

 

日本でイマイチハマらず海外に出たらウケた系のバンドが、今やんわりと世界のクールジャパン像をめちゃくちゃにしていく様は、見ていて気持ちいいものがある。

この人らだったり、Bo Ningen だったり、Monoだったり、外国でめちゃくちゃなことをするロン毛軍団によって音楽鎖国は終焉に導かれる。

 

 

1位 Superhero's / のん

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可愛い、俺たちの生きる希望、心が喜んでおりました。

 

 

以下、2019年二月加筆パート

8位 Broken Politics / Neneh Cherry

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知らないアーティストだけどこのアルバムはまるでフォーテットのDJに最強の女性ラッパーが乗ったような最強トリップホップで癖になっちまうなぁと思って徐々にハマって行った。これはかなり良い。

基本的に、一旦しっかりハマってから顔やら経歴やら過去作を調べる癖のある僕は、今回もやはり色々デカイ事実を知らないまま聴いていたらしい。

よくよく調べてみると、ネナ・チェリー、彼女はストックホルム出身のかなり凄いベテランのシンガー、ラッパーらしい。そりゃ最強の女性ボーカルだと聴いて唸るに決まっている。マッシブアタックやゴリラズ、R.E.M.のマイケルスタイプなどとのコラボでも知られている。今作にもマッシブアタックのロバート・デル・ナジャ(3D)がゲストでプロデュースしている。

更によく見れば、彼女は2014年に十八年ぶりにソロキャリア電撃復帰を果たして以降、フォーテットと組んでアルバムを作っていた。もちろん復帰後二作目となる今作もフォーテットプロデュースである。そりゃフォーテットのDJに聴こえるに決まってる。

僕はフォーテットがちょくちょく更新している最近のおすすめプレイリストを見てこのアルバムを知って、やはりフォーテットのようなものを聴きたいなら彼自身のプレイリストを攫うのが一番だなと感心していたのに。その中で一番気に入ったアルバムが彼自身によるものだったとは、なんとも悔しい感じがある。

 

 

 

 ベスト16は以上です。後編はランキングからは漏れたもののすごく良かったアルバムなんかをまとめております。

 

 

 続き、後編

 (重すぎて読めなかったという人らほんまにすまんかった)

 

by merah aka 鈴木レイヤ

King Crimson来日レポ12/09/2018&12/10/2018@グランキューブ大阪

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人がロックやポップスなどのポピュラー音楽のライブやコンサートを見に行く理由とは何だろうか。

おそらく一番多い理由は「写真や映像の中の人間が目の前で見れるから」「生で演奏が聞けるから」という「本物」志向に基づいた答えだろう。雲の上の存在だと思っていた人が目の前に現れる。それだけでも我を忘れるぐらいに興奮状態になる人は沢山いる。その「現前性」はただそれだけで効力を発揮するのだ。

次に多いであろう理由は「彼ら/彼女らはライブバンドだから」「演奏がライブだと凄いから」などという、音楽体験に対する反応だ。「ライブバンド」が何なのかという問いには色々な意見があるだろうが、大きくまとめると2つ。「即興」か「扇動」か。この2つを巧みに行うバンドはライブバンドとして高い評価を得る。

 

クリムゾンの場合は主に後者の「即興」による評価で人々を会場にいざない、半世紀という年月を生き延びてきた。スタジオアルバムはあくまでも記念撮影や設計図に過ぎないと言わんばかりのライブの実態は、多くのブートとFripp御大による大量のアーカイブ公開によって明らかにされてきた。彼らが始終自らをライブバンドと定義付けてきたのは大体のファンが同意するところであろう。

 

さて、今のクリムゾンはどういう存在なのだろうか。オールタイムベストの選曲とトリプルドラムという編成は、かつてのような即興を行う場を失った。そして「現前性」に関しても、来年50周年を迎える彼らを生で見て、今更そこまでの興奮を覚えるファンもいないだろう。

今のクリムゾンは「現前性」を音楽体験に接近させた上で1つのパッケージ作品を提供しているバンドであると自分は考える。3人のドラマーが直接空気を震わせることによる迫力は、その場でしか体感できないものであり、即興を切り捨ててでもライブでしか得られない経験を創出している。

(その点では映画館の最近のトレンドである「爆音上映」が1番近いかもしれない。「何故人はわざわざ映画館に高い金を払って見に行くのか」という問題に向き合って出した1つの回答である)

そして所々に差し挟まれる即興によって、かつての伝説化されたバンドの亡霊が顔をのぞかせ、そのパッケージ作品にライブたる必然性を更に加味する。

 

このレポが、何故クリムゾンが同年代の同窓会バンドと異なる次元で邁進し続けるのかを、部分的にでも理解する一助となれば幸いである。

 

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3年ぶりの来日は、前回に増して厳戒態勢でのおもてなしで迎えられた。

前回の本編後とアンコール後との退場までの間の撮影可能時間は、アンコールの曲も撮影する違反者の続出で制限され、撮影はアンコール後のみとなった。また、ホール内でのスマートフォンの操作も禁止と徹底され、誘導スタッフの顔や口調はいつとなく厳しいものとなり、場内ではロックのライブだというのに非常にピリピリした空気が漂っていた。

定刻スタートということも場内スタッフにはお達しが来ており、エントランスで団欒してる客も10分前には追い立てられるように座席に座らさせられる。3分前にはFrippによる「撮影禁止、Tonyがカメラ取り出したらいいよ。20分の休憩がある。さあパーティーしよーぜ。いぇーい」というアナウンスが流れ、終わりと同時に暗転する。

 

そこから始まるのは地獄である。

 

セットリスト

12/09

第一部

Larks' Tongues in Aspic I

Neurotica

Suitable Grounds for the Blues

Lizard

Discipline

Indiscipline

Epitaph

Larks' Tongues in Aspic IV

Islands

 

第二部

Devil Dogs of Tessellation Row

The ConstruKction of Light

Peace: An End

Easy Money

Moonchild

The Court of the Crimson King

Radical Action III

Meltdown

Radical Action II

Larks' Tongues in Aspic V(Level Five)

 

アンコール

Starless

 

12/10

第一部

Hell Hounds of Krim

Discipline

Indiscipline

Cirkus

Moonchild

The Court of the Crimson King

Fallen Angel

Larks' Tongues in Aspic II

Cadence and Cascade

Radical Action III

Meltdown

Radical Action II

Larks' Tongues in Aspic V(Level Five)

 

第二部

Devil Dogs of Tessellation Row

Neurotica

The ConstruKction of Light

One More Red Nightmare

Red

Epitaph

Easy Money

Starless

 

アンコール

21st Century Schizoid Man

 

両日とも、そして第一部と第二部ともどもドラムの独奏、あるいは三重奏で3時間に渡る長丁場のライブは幕を上げた。「Larks' Tongues in Aspic I」冒頭のガムラン音楽のように金物が絡み合う精密さ、「Hell Hounds of Krim」の全員片手にドラムスティックを2本ずつ挟んでタムを叩く力強さ、「Devil Dogs of Tessellation Row」のドラムソロとしては比較的分かりやすいキャッチーさ。いずれにしても野獣のように吠える現行の真の顔を見せるには至らず、場内の張り詰めた空気に気圧されたオーディエンスを懐柔するかのように、紳士的な自己紹介を始める。

とは言え、3人のドラマーがいるという事実を会場が受け止めた途端、すぐに彼らは牙を剝く。Frippのギターのフェイドインから一気に不穏な空気が醸成され、ヘヴィーな主題のユニゾンになだれ込む「Larks' Tongues in Aspic I」、Steve Reichなどのミニマルミュージックをロック的解釈で再構築したポリリズムナンバー「Discipline」「The ConstruKction of Light」、原曲の爆発力をジャジーなイントロでより強調させた「Neurotica」と、誰か1人でも気を抜いたら即崩壊の音の集合体をオーディエンスに耳に突きつけ、3方向からの打音でスピーカーを介さずに体を内側から直接揺さぶるのだ。

開幕早々脳内で処理しきれない量の情報の洪水に襲われたオーディエンスは、この感覚こそがまさに現行クリムゾンでしか味わえない音楽体験であり、それは会場で直に音に揺れ動かされないと理解できないものであるということを感じ取る。極めて即物的であるが、近年のネット文化においてライブ会場に行かないと分からない音楽を生み出したということは彼らの最大にして最高のアイデンティティーである。

「Discipline」ではドラムフレーズを三分割して重ねがけすることでSteve Reichなどがガムランなどの民族音楽のフィールドワークで得たポリリズム的音楽により一層の回帰を果たし、「Lizard」ではGavin HarrisonとJeremy Stacy(全ての音量がでかくてまるでボンゾのよう)の怒涛のドラム捌きが頭を吹き飛ばす。これらはその場にいなくても楽しむことが出来るが、会場で体全体で音を感じ取ることで得られる高揚感は段違いである。「クリムゾンとはライブバンドである」。即興要素が少なくなってもそうだと言い切れる理由がここにある。

とは言いつつも、充実面はその生音での迫力だけではない。現編成での新曲「Radical Action I」は前回の来日以降更なる編曲が施され、よりダイナミックに、よりスリリング(高速ユニゾンはまるで往年のRushのようである)に、そしてよりヘヴィーに進化している。「Indiscipline」でのドラム回しの曲芸は、おふざけのようでいて確かなテクニックをエンターテイメントに昇華させたものであるし、「Larks' Tongues in Aspic IV」のFrippの高速シーケンスパートにはただ圧倒されるばかりである。

また、「Islands」の孤独に響き渡るピアノや流麗たるサックスソロとその後ろで海の広大さを示すかのように響き渡るメロトロンのストリング音。「Easy Money」の中間パートから歌に戻る直前のギターとスキャットの大立ち回り。定番のハイライトもより精度を上げて再現され、トリプルドラムという目玉にもたれかかったわけではない真剣勝負の演奏を聴くことが出来た(そういう意味で、「Indscipline」「Starless」の爆発パートで妙にドラムが静かなのは実に面白い。意識して聞くと「ここぞ」という山場でドラムがシンプルであったり、ジャズの香り漂うナンバーで粗野なドラムが炸裂するパターンが結構あるように思える)。

とは言え、完全無欠なパフォーマンスだったわけではない。「The ConstruKction of Light」ではギターが鳴らなかったがため、他のパートも相次ぐ拍子の変化にミスが多発し、「21st Century Schizoid Man」ではMelのソロが長すぎたのか、途中でFrippが爆音でソロを開始し、強引に引き継ぎを行った(あと、 Jeremyのリードパートが必死にタムを叩いていて到底「伴奏」と呼べるものではなかった)。「なまもの」であるが故のそういったアクシデントや緊張感も感じ取れる。スタジオアルバムのような完全なパッケージ作品ではないため、オーディエンスは複数の観点から楽しむことが出来る。

 

曲目的にはオールタイムベストで、特に「Lizard」「Red」優遇の曲目にはFrippの思い入れもあるのだろう。だが決して懐古主義に陥ることのない、非常に濃密な体験を提供する素晴らしい演奏であった。老化をものともしない演奏には来年50周年という肩書きが非現実に思えるし、彼らに「引退」という文字はまだ全く関係ないようである。あわよくば次の来日も、という願望も決して無茶ではないことは、実際にライブで彼らを見た人なら同意してくれるであろう。

 

改めて考えよう。「何故人々はコンサートやライブに行くのか」

クリムゾンの場合、そこには多くの楽しみが詰め込まれている。

そしてそれを同時代に体感することが出来た人々は幸せである。

 


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King Crimson来日レポ12/09/2018@グランキューブ大阪【ロイヤルパッケージ編】

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※雑な記憶と貧相な英語リスニング能力と個人的解釈のフィルターがかかっています

 

10分前に着くと既に40人ほどの列。サイン入りの限定セットが各日45個販売とのお達しだったので若干冷やっとしながらも、メールの印刷(最悪なくても画面提示で済む)とチケットと写真付きの身分証明書を見せて入場。

と入って早々、その限定セットが19個用意された時点でバンドがリハに入ってサインの書き込みが一時中断されたというアナウンスが伝えられる。大丈夫かなと不安になりつつリストバンドに後の購入の際の整理番号を書き込んでもらう(これも整列順だった)。

そんなギリギリに用意しなくてもいいんじゃないのかと思いもしたが、ライブ直前ベテランの8人組を1室に詰め込んでサインを書かせるという所業はやはり簡単ではないのだろうとスタッフたちの苦労に想いを馳せ、リハが終わるまでの入場待ち。割と後ろに並んでしまったため、音漏れは一切聞こえない位置に。

入場し、最前部分の座席に誘導されて一同が着席するとFrippの入場。悠然と歩く様はまさしく「紳士」な立ち振舞い(後方のスタッフにも着席を促していた)であり、ロックスター特有の過剰な愛嬌の振りまきは一切なし。拍手が終わってしばらくしても喋り出さず、場の空気に負けた一部が笑ってもニコリともせず、ヒトラーの演説手法そのままの出だしから来場したことの感謝と我々バンドとクルー一同ははるばる遠くから来たということを話し出す。文の途中でも意味が一区切りしたら一旦黙って通訳に訳させ、ゆっくり穏やかに喋る様は我々の知るフリップ像そのもの(そう言えば内容が抽象的な分、喋るのめちゃくちゃ遅いんだよね)

そんな我々の苦労や努力とは裏腹にという嫌味でも言いたかったのか、東京初日公演では15列目の客がこっそり持ち込んだ酒を取り出して酒盛りを始め、隣の客はさぞ不快な思いをしただろうと俺は見ているぞアピールを突如発揮。客もバンドと同様に真摯たる態度でライブに挑むべきであるということを示唆したかったのだろうか、確かに穏やかな口調で言われると一周回って恫喝に聞こえました。先生。

そこから、「ライブの演奏は確かにその時に鳴るものだが、その音楽自体は時間に縛られない永遠なものなのだ」という話をし、「ライブでは時たま素晴らしいことが起きる」と音楽がもたらす効力についての持論を展開。「音楽は世界を変えるか?」という永遠の議題に対して、「確かに変える」と断言。というのも、(政体がひっくり返るだとかそういう外的世界での変革ではなく)「頭が吹き飛ぶ」感覚を覚えるような内的世界での変革ならいくらでも起こしてきたからだ。本当に頭が吹き飛ぶことはないが、本人にとってはその音楽経験で世界は変わっているのだ。

その一方で最近はそういった世界を変える音楽がなくなっていると音楽界の現状を嘆き、だけれども「我々は世界を変えます」と自分たちにはその能力があるという宣言をし、「バンドとオーディエンスが一丸となれば素晴らしいことが起きるだろう」と彼の演説は締めくくられた。

ところで機械類の操作禁止の厳命が出されていながらも途中で携帯のアラームが鳴るというハプニングが発生した時、彼は怒るでもなく話を中断してただ発生源を見つめ続けるという1番恐ろしい対応を取っていた。その後、そのことには一切触れずに話を続けるところも含めてやはり「紳士」であった。

最後に「写真撮りたいでしょう?私も撮るからあなたたちも撮りなさい」とカメラを取り出し、お互いに撮影会。今日の客は先日より素晴らしいだとかおべっかを振りまきつつも「写真チェックしないと本当か分からないが」と一瞬出した飴をすぐに引っ込めるあたり、徹頭徹尾「あのFripp」であった。

 


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そんなややピリッとした空気を和らげるようにマネージャーのDavid Singletonが登場。早速最前列の客の持っていた限定セットをいきなり取り上げ、宣伝を開始(笑)。

その後、何でも質問してくださいと大らかな姿勢を見せる彼、Frippと態度が全く真逆である。「その前に」と先回りして2つの聞かれがちの質問を回答。「スタジオアルバムは作らないのか?ー作る予定はない。ただし作らない予定もない」「日本はまた来るのか?ー分からないが3年周期で来てるから来るなら2021年かな」

それから本格的に質疑応答がスタート(覚えきれてないので取りこぼしがあったら是非教えて欲しいです)。

Q「Keith Tippettが病気で治療費のチャリティーとかやってましたが今どんな感じですか」

A「最近連絡がなくて分からないんだ。ごめんね(調べたところ、どうやら回復していてライブやるみたいです)」

Q「John WettonとMel CollinsとGavin HarrisonとJakko JakszykとでCrimson DNAというバンドを組む話があったが、レコーディングなど音源は残っていないのか?」

A「ない。オフィスでミーティングをして宮殿やRedの曲をやるという話をしたが、当時ライブからの引退を表明していたFrippが途中から興味を示して現行のKing Crimsonに繋がってしまったので、そのメンツで実際に演奏するということはなかった」

Q「中国でライブをしないのか?」

A「今度アジアツアーをするなら候補として考えている」

Q「どうやってセットリストを決めているのか」

A「自分にはちょっと分からないな...友達に聞いてみるとしよう」

 

と、ここで気づかれないうちにこっそりと客席に座っていたBill Rieflinが登場。

A「色んな方法があるんだ。Frippが決めたり、他のメンバーの提案があったり。と言っても彼は民主制を装いながらも聞く耳持たない時もあるんだけど(笑)」

そこから追加して

「で、我々がそういうことだとか機材だとか云々かんぬんをやっているのは、最高の音楽にするため。人生と同じで素晴らしい場所にたどり着くための道というのは、率直(straightforward)なものなんだ(馬の蹄のものまねをして道を邁進する表現を行う)。普段答えないことを答えてみたよ(セットリストの質問は別日に既に出ていたことを踏まえてか)」

Q「70年代のレパートリーが増えていくことはありますか」

A「僕がバイオリンを覚え直したらね(笑)19歳の時にはやってたけど19歳の時に売り払っちゃった。チェロ奏者(=Tony Levin)なら今もバンドにいるけど」

Q「ドラムからキーボードに切り替えるのに苦労しませんでしたか?(あなたがハンサムでクールなのは同じですがという前置きにBill「ダー」とニヤッと反応)」

A「(ここら辺正直自分の理解が怪しい、というか綺麗な答えになってない)2つ答え方があるね。1つ目だが、そうでもない。ドラムはよりフィジカル(ドラムを叩くジェスチャー)だが、キーボードはそれほどでもない。まあミスは多いんだけど。2つ目だが、それぞれやり方が異なる(態度や方法が異なるということか?)からあんまり関係ない」

「ところで、鍵盤を弾いてる時の僕の顔が怖いとよく言われるんだけど、あれは僕がリラックスしてる時の顔なんだ。諺に「仏頂面ほど心穏やか」(何と言ってのか分からなかった...)とあるけど、まさにそんな感じだね」

Q「今まで様々なバンドを渡り歩いてきた中でクリムゾンってどうですか」

A「まずクリムゾンでの自分の役割は「正しい時に正しい行動をする」というものだ。クリムゾンというバンドは個人の欲望よりも全体の音楽を優先する。と言ってもFrippはよくWhat to doを指図するけど、実際には本人たちの自由の余地は多いよ。自分は「正しい時に正しい行動をする」というやり方が性に合っているけど」

Q「3人のドラマーでどのようにフレーズを振り分けてるのですか」

A「(ここら辺殆ど覚えてない)3人だけで合わせたり色々とやって決めてる」

ここで時間が来たので最後に記念撮影をして解散。Bill Rieflinはクールなイケメンキャラで、発言は謙虚ながらもハンサムだと言われても嫌味っぽくなく素直に受け止める辺り、他のクリムゾンファミリーとはだいぶ毛色が違いました。

 

そして、限定グッズは無事に買えました!!

 


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ライブレポに関してはまた後日...